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岩波文庫
リルケ詩抄

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  • サイズ 文庫判/ページ数 418p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003117910
  • NDC分類 941
  • Cコード C0198

内容説明

一九二七(昭和二)年、リルケが没した翌年、本書は刊行された。本書により、リルケの詩は初めて纏まった形でわが国に紹介された。茅野蕭々(一八八三‐一九四六)は、奇をてらうようなことはせず、口語を用いて訳し、素朴で木訥とした味わいを生み出すことに成功した。

目次

第一詩集(古い家;若い彫塑家 ほか)
旧詩集(日常の中に滅びた憐れな言葉;私は今いつまでも ほか)
形象篇(四月から;少女の憂鬱 ほか)
時祷篇(時間は傾いて;物の上にひかれてゐる ほか)
新詩集(前のアポロ;恋歌 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

lily

81
君の血、生命、言葉の部分肯定になれたら。今日もよく生きましたと褒めてくれるかな。それも贅沢なら瘡蓋でもいい。とれてしまったら私も忘れてくれていい。それまで優しく撫でさせて。君こそよく生きてくれましたと。2021/05/03

Gotoran

48
1927年リルケ没翌年に刊行され、本書『リルケ詩抄』は、茅野蕭々翻訳で纏まった詩集として我が国に本格的に紹介されたと云う。第1詩集から家神奉幣9編、冠せられた夢5編、基督降誕節7編、旧詩集から少女の歌8編、マリアへ少女の祈祷11編、敬称篇21編、時祷篇36編、新詩集24編が収録されている。愛や孤独、愛と死、幸福と苦悩・不安、孤独、自己の実存、神、などをテーマとして人間と事物の存在について根底から問い謳い上げるリルケを窺い知ることができた。2019/07/28

イプシロン

32
『リルケ詩抄』と銘うたれているが、実質は訳者「茅野蕭々選詩集」といっていい。選詩の中心軸にはリルケが求め、また茅野が求めた「物自体」への憧れ、あるいはまた神との邂逅への憧憬がある。したがって、一般にいわれる抒情詩とはまったく趣が異なる。ゆえに、形而上学的な心情に興味のない人にはまったくお勧めできない詩抄である。反面、そのようなことに興味のある人には、またとなき珠玉の詩抄といえる。知りたくても、到達したくても、決して辿りつけない苦しさに満ちているが、生きるということは畢竟そのような憧れであり祈りであると2022/10/25

双海(ふたみ)

10
「日常の中に滅びた憐れな言葉、目立たぬ言葉を私は愛する」(78頁)、「はじめての薔薇が眼ざめた。その匂は臆病に ごく小声の笑のやう」(86頁)、「夕ぐれは私の書物」(124頁)、「何故なら貧は内からの大きな輝だから」(238頁)2014/04/14

呼戯人

6
「美は恐るべきものの始め」、リルケは詩からもたらされる美を恐るべきものとして捉えた。それは人間を超えた天使的なものであった。フランスにおけるマラルメやヴァレリーに匹敵する詩人として現代に屹立している。昭和の初めにこんなに端正な訳が出ていたことに吃驚した。2015/09/11

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