出版社内容情報
第1歌集『まひる野』出版にいたる短歌への道,波瀾に富んだ家庭生活,『新古今和歌集』の評釈等古典研究のことなど,歌人にして国文学者であった著者が,晩年,その半生を驚くべき記憶力でふりかえる.(解説=大岡信)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Ucchy
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窪田空穂の自伝的な随筆。淡白な筆致で一人の文筆家の生活記録を描く。はじめの方では著者の歌論があるがこれがあっさりしていて好感が持てる。若き日の与謝野鉄幹や郷里の友人たちとの交友など興味を引くような話が次々と出てくる。明治末年に槍ヶ岳登頂など意外なエピソードもあって楽しめた。空穂は歌人だが散文も相当面白い。2018/09/04
1.3manen
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「小説のいずれは人間のする行動であるが、小説の興味はむしろ行動にありとして、そちらに重点を置いていたのを、新小説は反対に、興味は人間そのものの生存と生活にあり」(141ページ)。行動に焦点を絞るか、生存か。評者からすると、行動は心理学と経済学が解明して、生存競争の厳しさは文学でいいかも、と感じる。在原業平の「あはれ」は、生活上、階級を除外して人間そのものを平等視し、自他共に愛する人生観、社会観だった(147ページ)。業平からの教訓は、現代の格差社会に一石を投じている。2012/08/04




