出版社内容情報
「白樺」の同人として出発した里見〓(1888‐1983)はその精緻をきわめた心理描写で独自の境地を開いた.その作品は,心理解剖の裏に理想主義的情熱を秘め,人間精神の善悪の相剋を通して,人間完成の道を追求する善意に満ちている.「善心悪心」は後年彼の掲げた「まごころ哲学」的色彩の豊かな作品である.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風鈴
2
岩波文庫版は初めて。前回読んだ近代文学館版にはなかった(と思われる)お話が収録されてた。あとがきがあったので、なるほどこういう意図があったのねと理解してから読んだのもあって、頭に入ってきやすかった。ところで、佐々以外のモデルは誰なんでしょうかね…フフ。2023/01/06
しろねこ
1
文劇7の予習。 これを主題が違うとはいえ「山手線の電車に跳飛ばされて怪我をした」の一文で済ます志賀直哉…いやいやいや…結構やばいですやん… それはそれとして旧字とか古めの文字組とか読みづらいのでもうちょい新しめの版で読んだほうがよかったかもしれん…2024/06/19
ヤマニシ
0
「てきぱきしない昌造の性分では、種々な対象との間に結ばれた困つた関係が、根を断たれないで、いつまでも、ぐづりゝ尾を引いて残つた。」(p7)2022/11/21
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