岩波文庫<br> 提婆達多

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岩波文庫
提婆達多

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  • サイズ 文庫判/ページ数 203p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003105153
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

「ひとり彼にのみ勝利の日を楽しませはせぬ!」――仏陀に対する狂おしいまでの嫉妬と憎しみから,生涯,執拗に仏陀に挑みつづける従弟提婆達多.我執の権化ともいうべきその姿をとおし,人間の我と妄執の生みだす悲劇が力強い文体で描き出される.和辻哲郎による書評「『提婆達多』の作者に」を付載. (解説 荒 松雄)

内容説明

「ひとり彼にのみ勝利の日を楽しませはせぬ!」―仏陀に対する狂おしいまでの嫉妬と憎しみから、生涯、執拗に仏陀に挑みつづける従弟提婆達多。我執の権化ともいうべきその姿をとおし、人間の我と妄執の生み出す悲劇が力強い文体で描き出される。和辻哲郎による書評「『提婆達多』の作者に」を付載。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

100
仏陀に敵対していた従弟の提婆達多の生涯を描く小説。提婆達多の狂おしいまでの情念が読み手を強く惹きつける。仏陀のことも描かれるのだが、提婆達多にくらべると色褪せた登場人物のように思えてしまう。我々が仏陀のように生きることは難しい。しかし提婆達多の抱えている心の苦しみは、理解しやすいものだ。他人と自分を絶えず比較する。自分が劣っていることが分かると強い劣等感に悩まされる。提婆達多は一生この態度を変えない。私は提婆達多にひどく感情移入して、どんな人間も抱えている苦しみに耐え抜く英雄のように感じた。2017/12/01

藤月はな(灯れ松明の火)

97
『聖☆おにいさん』での紹介が強烈すぎた提婆達多。その彼を『銀の匙』と『犬』とのギャップが凄まじい中勘一氏が書いていると知り、読みました。若さ・美貌・地位・武芸・智慧に恵まれ、不足を知らないが為に慢心する提婆達多。彼の未来は全人民を侮りながらも享楽に浪費される筈だった。悉達多(後の釈迦)が現れるまでは。高すぎる自尊心と相反する恥との間で藻掻きながらも悉達多に独り相撲を自ら、課す提婆達多の姿は滑稽を通し越して「もう忘れて、幸せになって!」と思う程、痛ましい。だからこそ、ラストの二行の祈りの痛烈さに同感する。2019/06/01

ビブリッサ

77
提婆達多は釈尊の従兄で地位と名誉と才能を持っていた。そして釈尊の頭抜けた才能を見抜き、嫉妬と執着という自身の業火に焼かれた人である。那輸陀羅姫を娶り、皆に一心に愛された王子でありながら、何もかもを捨てる釈尊。浮世離れしたその姿が理解できないのは、常人の倣いだ。憎悪の影に見えるのは、悲しいほど釈尊になりたい彼の憧れだ。愛を渇望して苦しみ企み失敗する提婆達多の一人相撲は、巻き込まれ傷を負いながらも超然と在る釈尊を常に高みに押し上げてしまう。それは、悲しい喜劇であり可笑しな悲劇だ。2017/09/20

ねこさん

32
作家が記した文字を、一つ一つを追う。連なる言葉の熱がゆっくり胸の奥に落ちてゆくのを感じる。それらは、羽化しつつある蝶の翅のように身体の内側で展開して、広々とした風景の静かなディテールとなる。今と同じ速さで、時が流れているのを感じる。提婆達多や耶輪陀羅、阿闍多設咄路らの儘ならない心が、生温かく脈動するような感覚がある。付載された和辻の書評には、晩年における提婆達多の心境は復讐の一語では表しきれないとある。けれど人の欲求、もしくは行為の動機のほとんどは、自我の理想を起点とした過去への無自覚な復讐だと確信した。2020/08/08

shinano

29
慈悲と憎悪が対極する物語だった。人間が生まれながらに持つ欲求が、長じて倫理を備え抑制を覚えて社会と人間関係へ自分を順応させていくことを、極端な人格のふたり、主人公とシャカを起用し相対させて、主人公の情動の複雑さとすべての人間が苦しむことになる自分の内面との戦いを、性愛をからめて抉る様に描いている。人間の裡に愛と憎しみが背中合わせで並列しており、愛情を獲得するための行動が成就しなければ、恥じや悲しさを統合して恨みが次の行動を支配することに己で己を許すという欺瞞を、著者は人間嫌いから学んだのかもしれない。2012/03/18

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