出版社内容情報
大正四年,当時の代表的雑誌『太陽』によって論壇に登場した与謝野晶子は,婦人問題を軸に社会,政治,教育問題等に旺盛な評論活動を展開した.詩人的直感力によって問題の本質を見事に把えた評論は,今日読んでも極めて魅力的であり,歌人として知られることの多い晶子の全容を知る上でも不可欠なものである.二十七篇を収録.
内容説明
大正4年、当時の代表的雑誌『太陽』によって論壇に登場した与謝野晶子(1878‐1942)は、婦人問題を軸に社会、政治、教育問題等に旺盛な評論活動を展開した。詩人的直感力によって問題の本質を見事に把えた評論は、歌人として知られることの多い晶子の全容を知る上でも不可欠なものである。27篇収録。「君死にたまふことなかれ」を付載。
目次
ひらきぶみ
『一隅より』(一九一一)から
『雑記帳』(一九一五)から
『人及び女として』(一九一六)から
『我等何を求むるか』(一九一七)から
『愛、理性及び勇気』(一九一七)から
『若き友へ』(一九一八)から
『心頭雑草』(一九一九)から
『激動の中を行く』(一九一九)から
『女人創造』(一九二〇)から
『人間礼拝』(一九二一)から
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
20
男女格差是正や教育について思いのままに書いているように感じました。戦争や女性の権利向上にもふれていますが、当時の世情を考えますとかなり覚悟がある人であり、すごいと思います。ただ近くには居て欲しくはないとも思いました。2024/01/25
真田ピロシキ
4
伊藤野枝、平塚らいてうと遡って元祖たる人を読む。一番古い人と思わざるを得ない。封建社会に比べればずっと先進的な考えの女性なのだろうが、やはり明治の人。江戸時代の旧習を批判しても教育勅語も含め天皇を無批判に讃えられるのは、当時は批判できなかったのは分かっているが今では薄気味の悪さしかない。男子も維新の御誓文で初めて人並みに解放されたではないかと言い、まともな生活のできない低賃金社会を嘆くなど今に通じることを語ってもいるが、「保護」への反発と「自立」への拘りは不本意だろうが新自由主義的に感じ途中でやめた2023/10/13
双海(ふたみ)
2
詩人的直感力によって問題の本質を見事に把えた評論。2013/01/08
905
1
それだけ、この時代の女性やマイノリティは抑圧され不当に扱われていたわけだろうが、あまりの強弁ぶりに読んでられないとも思った。現代のネット上の不毛な論争と大差ない文章もちらほら。自分の正しいと信じることだけが正しいというような、極端なものの見方がなくはないかとも思う。なんとなく心奥の差別意識が伺えたような気がして、歌人としてはともかく彼女の評論文の類はもう読みたくない。2021/09/08
いちはじめ
1
時代の制約という面を差し引いても、その歌集の素晴らしさからすると、やはり見劣りする。2004/01/15