出版社内容情報
「歌に入りはじめた人にも,久しく歌の道におる人にも,あるいは単に歌を鑑賞する人にも通ずるような歌論をなしたい」,として最晩年に書き下された『歌道小見』は,まさに赤彦の歌論の総決算であると同時に,傑出した作歌入門の書でもある.他に十二篇の小論をまとめた『随見録』と『万葉集の系統』を収録. (解説 柴生田稔)
内容説明
最晩年に書き下された『歌道小見』は、まさに赤彦の歌論の総決算であると同時に、傑出した作歌入門の書でもある。他に12篇の小論をまとめた『随見録』と『万葉集の系統』を収録。
目次
歌道小見(古来の歌;万葉集;万葉集の性命;万葉集の読み方 ほか)
万葉集の系統
随見録(短歌と日常生活;山上憶良の事ども;憶良と赤人;前田夕暮氏に質す;万葉集諸相;前田夕暮氏の答 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
14
万葉集の歌も、「意味の分らぬのも、自然に分って来ます」(17頁)。読書百回意自ずから通ず、か。「現代の有する哲学とか、人道問題とか、労働問題とかいうものが歌に現れておらぬのに不足を感ずる声」(62頁)。それは平成の現代でも歌に反映してもいいと思える。鷗外は赤痢や肺炎を病みつつ陸軍省へ。流行感冒に罹りつつ博物館へ。萎縮腎に斃れんとしつつ図書寮(ずしょりょう)に通った覚悟があった(108頁)。歌に込める思想。或いは、文人は命がけで生活を守りながらも作品レヴェルを上げる努力をしていたことがわかる。真似できない。2013/10/15
nobito
0
<個人メモ>抒情詩において、なぜ写生なのかが書いてある2017/04/30
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