岩波文庫<br> みみずのたはこと 〈下〉 (改版)

岩波文庫
みみずのたはこと 〈下〉 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 241p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003101568
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

明治四十年東京を西に去ること三里,一反五畝の土地に,壁は落ち放題,雨戸は反り屋根藁は半腐り,ちょっと降ると室内にも黄色い雨が降るばかりか,ときに青大将が落ちてくる草葺の家.井戸をさらえ,肥桶を担ぐ「美的百姓」の始まりである.作者の前をよぎる人々,武蔵野の風物を骨太な筆でとらえた随想集. (解説 中野好夫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

12
「落穂の掻き寄せ」で、 「(四)摘草」がある。 「午後本を読んで居ると、空中に大きな物の 唸り声が響く」(25頁)。 「5月五日」で、 「田舎は淋しい。人が殖え家が殖えるのは、田舎の 歓喜(よろこび)」(37頁)。 途上国のように増えすぎてもいかんけどね。 「食われるもの」で、 「生命は共通。強い者も弱い。弱い者も強い。 死ぬるものが生き、生きるものが死に、 勝つ者が負け、負ける者が勝ち、 食う者が食われ、食われるものも却って食う」(75頁)。 2014/04/11

uburoi

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蘆花は夙に二葉亭の文章に魅入られ、「余ははじめて人間の解剖室に引ずり込まれたかの如く、メスの様な其筆尖が唯恐ろしかった」と述べる。その長谷川二葉亭が客死したことを伝えるのが「印度洋」だ。愛犬「デカの死」を経て明治天皇の崩御前後の記録、御大葬の夜に弔砲の閃光を遠くに見る。続く乃木夫妻の自刃と「寄生木」について。明治45年1月1日の朝から始まる下巻「落穂の掻き寄せ」はこんな死の連鎖が綴られている。2016/10/21

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とても興味深いんだけど、今はゆっくり読んでらんないのよね 残念2014/10/15

takj

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明治大正の世評、見の周りの出来事、玉川千歳村は、現在の世田谷区千歳台にあたる地域のこと・北海道旅行・・ この時代、嵐山で自動電話所・電車汽車乗り入れで景観がつまらなくなることを嘆いてる・・・2025/04/09

sshota0313

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東京から武蔵野の田舎に移り住んで農業を営み暮らす著者の生活記。自然の美しさや著者一流の美的感覚がユーモアも交えながら語られていた。根底に流れている「人間は必ず死ななければいけない」という不条理についての嘆きは、ちょっと共感するところがあった。2019/12/02

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