出版社内容情報
無類の食いしん坊であった子規は,中でも大の果物好きであり,その食べ方も芯を噛み皮を吸うという徹底したものであった.本書に厳選された随筆を読むと,その見事な食べっぷりが,子規の人生や文章に対する徹底ぶりに通じていることがよくわかり大変興味深い.折々に書かれた随筆から「夢」「恋」「酒」「旅」「病」「墓」等二九篇を精選.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
16
んー、子規さん、大丈夫かな・・・?病苦が・・・。「こう生きて居たからとて面白い事もないから、ちょっと死んで来られるなら一年間位地獄漫遊と出かけて、一周忌の祭の真中へヒョコと帰って来て地獄土産の演説なぞは甚だしゃれてる訳だ」2017/09/17
蛇の婿
15
個人的には、時たま出てくる凄い文章や感性に、頭をひっぱたかれるような思いを受けつつ読了。…とん、とん、とんと来てすっと外す文章のリズムであるとか、同じ単語を使った文章のリフレインのやり方であるとか…もちろん全部が全部の文章を凄いと思ったわけではないのですけれども、こういう風に書けて、感じることが出来るようになりたいと真剣に思います。//御茶ノ水の風景についてちょっと書いてありますが、あの風景は私も大好きな風景であるのでかなり嬉しゅうございました。//この人が若くして死んだのは日本の大いなる損失だよなぁ…2013/07/14
壱萬参仟縁
12
病牀譫語(びょうしょうせんご56頁~)。「◎政治家とならんか、文学者とならんか、我は文学者を択ばん」(同頁)。僕は読書会主宰とならんか。他のところでは、「妄想は一転して倫理教育の上に至る」(136頁)。くだもの: くだすもの。腐ること。菓物は凡て熟するので(162頁)。木曾の桑の実は寝覚蕎麦より旨い名物。木曾路へ這入って贄川まで。蕨餅を売っているという(172頁)。茶店が残っているか、どこか、こんど役所で聴いてみるか。明治34(1901)年のことのようだ。2014/02/07
gtn
2
病でこれほどの苦しみを受けながら宗教嫌いであったとは、なんと強靭な精神力であろうか。いや、どれだけ精神が痛めつけられたことであろうか。2018/02/24
Gen Kato
2
「死後」と「くだもの」が特によかった。2013/07/16