岩波文庫
運命―他一篇 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 169p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003101223
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0300

出版社内容情報

中国明代の靖難の役に取材して作者の運命観を織り込んだ歴史小説.太祖が崩じ孫建文帝が即位すると,叔父燕王は兵を起こして帝を追い王位を奪い永楽帝となる.しかし長い在位中,永楽帝には一日も安穏の日はなく,流浪の建文帝は平和な一生を送る,という一大叙事詩.宮廷逸事の小編『暴風裏花』を付す. (解説 塩谷 賛)

内容説明

中国明代に材を取り、壮大な構成と絶妙の行文によって露伴(1867‐1947)の最高傑作とあおがれる歴史小説。太祖が崩じ孫の建文帝が即位するや、叔父燕王は兵を起して王位を奪い永楽帝となるが、長い在位のあいだ1日とて安穏の日はなく、かえって流浪の建文帝は平和な一生をおくる。併収は宮廷逸事の小篇「暴風裏花」。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ehirano1

83
まさに『運命』というタイトルに相応しい壮大な内容だったと思いました。洪武帝が健文帝に残した箱の中身については、いろいろな考察ができ、興味深いものでした。当方は、洪武帝の人生を鑑みると、孫である健文帝には自分と同じ道を歩んでほしくなかった故のことから、あの箱の中身だったか思いました。また、箱の中身は敢えて考えさせるものであることから、直ぐには得られる容易なモノではないことも示唆しているところも流石だと思いました。2021/09/05

壱萬参仟縁

11
解説によると、本書は明の靖難の役に取材した歴史小説(165頁)。歴史のオルガニズムを描いた(166頁)。戦ものに関心がある人にはいいが、わたしはあまり関心が湧かなかった。擬古の詩に曰く、「人生 須らく歓楽すべし、 長(とこしえ)に辛苦せしむる勿れ」(81頁)。人生の意味を考えさせられる箇所もある。漢詩は少し音読してみた。「人生 道を聞くを尚(とうと)ぶ、富貴 復奚(なに)為るものぞ」(104頁)。「暴風裏花」(143頁)という節では、各自の勝手を批判して、「段々増長すると、奢侈だの、慢心だの、暴圧だの、2014/01/16

DEAN SAITO@1年100冊

6
もとの題名は「定数」だったとのこと。中国語における「数」は、「天数」など運命、天命を意味する語に用いられたらしい。 とにかく、本の「まくら」にあたる書き出しが素晴らしい。「世おのづから数というもの有りや。有るといへば有るがごとく、無しと為せば無きにも似たり」と、物語の荘厳さと重厚さを演出する。 露伴は五重塔が群を抜いて有名だ(と勝手に思っている)けれど、こちらも名作。短いけれど読みごたえあり。声に出して読みたい、美しい文体。2019/03/30

藤村

3
「運命」とその自跋、および「暴風裏花」。2012/07/04

eckhart88

1
再読であるが、やはり運命は良い。そして全集読破の途上なので、私はこれを三読することになるのだろう。

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