出版社内容情報
元禄俳諧を堪能させる二書。『花見車』は俳人を遊女に喩えた俳諧評判記。『元禄百人一句』は百句を選ぶ。
内容説明
多様な俳人が活躍する元禄俳壇の様相を伝え、俳諧の楽しさを満喫させる二書。『花見車』は、轍士が元禄15年(1702)に刊行した俳人評判記で、京・大坂・江戸および諸国の俳諧点者215名を、遊女に見立てて論評する。『元禄百人一句』は、江水が元禄4年に刊行した撰集で、百人一首に倣い、当代の俳人100名を選び、その発句を紹介する。詳細な注解を付した。
目次
花見車
元禄百人一句
感想・レビュー
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feodor
4
元禄15(1702)年に著された、当時の俳人たち、とくに点者と呼ばれる宗匠を遊女に見立てた評伝が『花見車』。蕉門が圧倒するわけでもなく、と言って影響力がないわけでもなく、貞門の影響もまだまだありそうだし、貞門⇒談林⇒蕉門という直線的な俳句世界の変化という単純化はやはり違うのかな、という感じがした。江水が編集した元禄4(1691)年の当時の俳人たちの秀句を集めたもの。注釈があって、初めてそういう意味なのね、とわかる句が多く、俳諧の世界もかなり和歌などの知識的裏付けが必要なものなのだなあと思う。2020/08/07