出版社内容情報
「鼠小僧」(「鼠小紋束君新形」ねずみこもんはるのしんがた)は安政4年江戸の浅草猿若町市村座に書きおろされたもので,4世市川小団次のために執筆した世話狂言中の代表作である.当時世上に喧伝されていた盗賊鼠小僧を稲葉幸蔵に寓して書いたので非常な人気を博し90日余も打通したという当り狂言であった.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KUMA0504
1
井上ひさしの「黙阿弥オペラ」を読んで興味を持ったので読んでみた。なるほど、ここには歌舞伎の基本形があるだけでなく、日本映画や時代劇の水戸黄門や遠山の金さんに代表される「人情もの」の基本形があり、なによりも井上ひさしがあの劇で描いた「古きよき日本」の原型がある。2010/08/29
絶間之助
0
さすがに名作です。流麗な七五調の台詞、情景描写が本当に美しい。表面的でない、本音の心情の動きがとても良く描けています。ちょっと、ご都合主義のところもありますが、緊張感ある場面設定も見事でした。歌舞伎で上演して欲しいです。また、こういう復刻本がもっと出てほしいです。 詳しい方に教えていただきたいことがあります。最初の方は鶴屋南北の「絵本合法つじ」とストーリーがそっくりですが、引用したものでしょうか。また落語「蜆売り」のストーリーも出てきますが、この「鼠小僧」から派生したものなのでしょうか。2012/09/03
rouningyou
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要所にはいる決めの長ゼリフが小気味良く、つい音読したくなる。人間関係は複雑だが、舞台を観れば容易に把握できるのだろうか?楽屋落ちのようなセリフがあるが注釈が全くなく、ちょっと残念。2012/04/24
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- 和書
- 美学を学ぶ人のために