出版社内容情報
『うひ山ふみ』は大著『古事記伝』を完成した宣長が門下の要請にこたえて,はじめて学びの山にふみこむ人々のために国学研究の態度と方法を懇切かつ具体的に説いたもので,円熟した大学者の体験に裏打ちされた学問論として,後学に大きな影響を与えて来た.ほぼ同様の成立事情をもつ問答集『鈴屋答問録』を併せ収める.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
19
宣長69歳の著(3頁)。 「いかほど學びかたよくても怠りてつとめざれば、 功はなし」(15頁)。 秀才もさぼってはいかんぞよ。 「又晩學の人も、つとめはげめば、思ひの外功をなす ことあり」(同頁)。 学問に遅すぎることはない。 生涯学習の価値を教える。 物學びはその道をよくえらびて入そむべき事(71頁~)。 私にはもっと選択眼があればよかったと後悔している。 「物まなびに心ざしたらむには、まづ師をよく擇びて、その 立たるやう、教へのさまを、よく考へて、從ひそむべきわざなり」(同頁)。 沁みることば。 2014/04/07
双海(ふたみ)
13
皇朝学入門。2014/05/23
金吾
6
○学問への取り組みは地道に諦めず怠けず励むという古今あまり変わりはないことを感じました。個人的には嫌いなことや苦手なことは無理しても人より成果が薄いということに同意しました。2020/03/02
本命@ふまにたす
3
本居宣長への「入門」になりそうな著作2篇を収める。小冊子ながら、密度の濃さが感じられる。特に「鈴屋」のほうが(形式的にも)興味深く感じた。2022/07/09
にゃん吉
3
うひ山ふみでは、現代でも通じる学ぶこと一般についての要諦が記されています。記紀や自著の神代正語を繰り返し読むことを勧める件では、学問に王道なしという感を覚えます。鈴屋答問録は、例えば、「夷」の語義などの国学に関する質問に著者が答えるという形式で、各論的すぎて、門外漢には正しいのかどうかもよく分かりませんが、興味深くはありました。全般に、著者の学問に対する非常に真摯で誠実な様子が伝わってくる一冊です。
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