出版社内容情報
「お岩様」の怪談として人に知られている四谷怪談は,「怪談もの」の傑作であるばかりでなく,歌舞伎脚本史上に「生世話物」の分野を確立した南北一代の名作である.その作劇法の縦横の駆使と大胆な描写はまさに驚くべきものがあり,特に《地獄宿の場》《隠亡堀》など奇趣,陰惨を極めている.本書は新発見の原作本から校訂した.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
68
元禄時代からのお岩伝説に、いくつもの実話や説話を組み合わせて作られた「世話物」の名作。お岩が死んでから伊右衛門がお梅と祖父を殺すまでの畳みかけるような場面、お岩が来ていた着物がお袖のもとに届いてから、そして、最後の大詰と、怨霊の現れ方が一通りではなく、その場その場で絶妙な効果をあげている。それとは別に、お岩が死んだ部屋でお梅の新床を取り「お岩を悔しがらせてやろう」とうそぶく伊右衛門がなんとも言えず不気味で、生きている人間も十分に怖い話だった。2017/08/06
HANA
65
再読。お岩様の幽霊物語であるが、原作だと登場する比率のあまり多くない事に気付かされる。むしろ赤穂浪士との絡みでそちらとの因縁が占める部分が多いのだが、ただやはり要所要所での出番というかその登場した時の凄みが只事ではない。有名な髪漉きや戸板返しはもとより、鼠による怪異などどれも日本的な怪異に満ちているというか、読むだけでもやはり凄い。あと気が付いたのが意外とドタバタ要素もある事。宅悦の地獄での入れ替わり等その最たるものだし。様々な要素が絡み合っているからこそ、怪談の最高峰の何相応しいものになってると思った。2020/08/29
金吾
19
初めてしっかり読みましたが、お岩さんだけでなく、お袖さんもかなり救われない話です。しかしながらそれだけにラストを期待しつつ一気に読み進めたくなる本でした。やはり科白のテンポが良いのだろうなと感じました。2021/10/14
くまこ
12
丸の内線四谷三丁目駅で降りて、左門町の於岩稲荷田宮神社にお参りしてきた。実在したお岩さんと、鶴屋南北が創作した歌舞伎のお岩さんは全くの別人。現代なら名誉毀損?で訴えられると思う。ただ、大衆の願望を的確に把握し、これでもかと煽りに煽った結果、作品に魂が吹き込まれ、文芸史に残る傑作が生まれた。作家の業に鳥肌が立った。2013/08/30
kero385
9
第一幕の冒頭でなかなか世界には入れなくて読了してなかったのだけど勿体ないので再度読み始める。 第一幕の前半さえ読み込めば、後は劇の流れに乗って世界に入り込めた。 私は演劇や歌舞伎は詳しくないけど、この台本が書かれた時代、ト書きのような演出はどうやって実行したんだろう。 素人ながらかなり難しいのではと思ってしまう。 とても面白く読んだ。ただの怪談話しでなくて、仮名手本忠臣蔵に組み込む形で最初は上演されたそう。 伊右衛門の刀をお岩様の亡霊が留めている隙に、佐藤與茂七が成敗し、討ち入りへ。 盛り上がったろうな。2024/10/08




