出版社内容情報
『七部集』の連句に対する芭蕉発句の全集.すべての句を新たに一々出典に当って確かめ,また年代考証を行って可能な限り正確に年代順配列を行ったほか,存疑・誤伝句も付録し,特に巻末には解説のほかに出典・引用書目の一覧とその刊行年表,三句索引などを付して,豊富な資料に基づく脚注と併せ読者に便なる工夫をした.
内容説明
芭蕉(1644‐94)19歳から臨終に至る生涯の発句をすべて収める。一句一句新たに出典に当って句形の異同を確かめ、綿密な年代考証によって可能な限り正確な年代順配列を行ったほか、数多い存疑・誤伝句をも付載した。特に巻末には芭蕉句集の歴史にふれた解説、出典・引用書一覧と刊年表、三句索引を付して、鑑賞・研究両面の要望に応えた。
目次
寛文期
延宝期
天和期
貞享期
元禄期
年次不詳
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
343
芭蕉句は直観力に優れている。その典型が、例えば芭蕉が開拓した新たなオノマトペに見られると思う。「むめがゝにのつと日の出る山路かな」の「のっと」、あるいは「ほろほろと山吹ちるか瀧の音」の「ほろほろ」などがそうだ。私見ではオノマトペは芭蕉と宮沢賢治に極まるかと。その一方で、推敲に推敲を重ねた句もある。よく知られた『細道』中の句「閑さや岩にしみ入る蝉の聲」がそうだ。初句形は「さびしさや岩にしみ込む蝉のこゑ」、そして第2稿が「山寺や石にしみつく蝉の聲」である。俳諧は主体感情の表出を嫌い、客体においてものの本質を⇒2018/03/30
NAO
60
【第3回 江戸時代を知る「テーマ:俳諧(江戸前期)と松尾芭蕉」】19歳から亡くなるまでの、芭蕉の生涯の発句をあつめた句集。載せられている出典によって語句に異同がある句が並べられているのが興味深く、有名な句でも語句を変えては推敲したのであろう芭蕉のこだわりが見えるようだった。2018/03/21
燃えつきた棒
49
高校の頃、ポール・サイモンの詩と芭蕉の句の親近性に、一時囚われた。先日、久しぶりにサイモン&ガーファンクル全集のCDを買い求め、ポールの詩をまとめて読んだので、少し足を延ばして芭蕉も読んでみた。 当時、僕の頭の中にあったのは、『野ざらしを心に風のしむ身哉』と「冬の散歩道」辺りだったと思う。だが、この二つは、後者の演奏された曲が湛える異様な緊張感こそ似ているものの、歌詞を比較しても親近性は感じられない。 元より単なる思いつきなので、確かな根拠などあろうはずもないが、暇にまかせてもう少しその辺を掘ってみたい。2019/07/10
とりぞう
2
「俳句は芭蕉でしょ!」と思ってる。ただ、芭蕉の句をきちんと理解してるわけではない。加えて芭蕉以外の俳句の勉強も足りない。でも芭蕉は面白い(^^)。2023/02/06
じめる
1
「塚も動け」の句が心に迫ってくる時期だった。2014/09/09