内容説明
生活空間や旅中の感懐、人々との交流、絵や景物への賛など、さまざまな場面での思いの記された俳文は、漂泊の詩人芭蕉の世界観・人生観をあざやかに描き出す。下巻には、存疑、主要異文も収録し、略年譜、句索引を付した。
目次
4 挨拶・返礼の文
5 追悼・餞別の文
6 芭蕉、人を語る―対人賛
7 賛の文―画賛・人物像賛・景物賛・作品賛
8 序跋の文
存疑
参考異文集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
7
俳諧とは、簡潔、含蓄、軽妙、洒脱、機知に富む(解説327ページ)。人生訓として人々に広く受け入れられる。原文、注、解説、評の構成。旅人の紀行文や郷土史の交流(温故知新)が地元学の原点にもなる。(四)挨拶・返礼文。(五)追悼・餞別文。131ページ木曾路。馬篭から贄川まで21里(132ページ注二)。(六)対人賛。172ページに行基菩薩。(七)賛文(絵画、景物、作品)。(八)序跋文。地名が馴染深いと親しみが湧く。実際に、旅行しないと共感できないのが紀行文かもしれない。旅番組をみて、芭蕉の地名に共感するの現代人。2013/02/22
うた
2
読まれる際の注意。編集が入って読みやすくはなっているけれど、一つの作品として書かれたものではないので、やや重複が多いです。時折手に取り、少しづつ読んでいくのがよろしいかと。2012/07/01
やま
1
芭蕉俳文集の下巻は、挨拶返礼の文、追悼選別の文、芭蕉人を語る、賛の文についてまとめたもの。解説によれば、芭蕉の俳文を時代別に記載するのもよいが、俳文を同じジャンルでまとめた方が理解できるということでこの形になったそうだ。加えて丁寧な脚注と解説とがあり理解できる。 再読しなければならない本の一つとなった。2015/05/14