出版社内容情報
なぞとは,「何ぞ?」という問いかけの言葉に由来する.その起源は古く上代に遡るが,中世には,貴族のことば遊びとして宮中で盛んにおこなわれたという.国語学上貴重な資料といわれる「ははには二たびあひたれどもちちには一どもあはず」という有名な謎々(答=くちびる)をはじめ,中世の謎々の主要な集録本七種を収めた.
内容説明
なぞとは、「何ぞ?」という問いかけの言葉に由来する。その起源は古く上代に遡るが、中世には、宮廷で貴族の集団的ことば遊びとして盛んにおこなわれたという。国語学上貴重な資料といわれる「はなには二たびあひたれどもちちには一どもあはず(答)くちびる」という名有な謎々をはじめ、中世の謎々の主要な集録本七種を収めた。
目次
なそたて
謎立
月菴酔醒記
寒川入道筆記
国籍類書謎乃本
あたうかたり
古版なそのほん
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
べる
16
中世の貴族が集団的ことば遊びとして行っていた謎かけ。ミやづかいかひこそなけれ身をすてゝしバさかさまにひくハなにぞも→八はし! 「何ぞも」はなぞかけにおける問い掛けのきまり言葉と見られる。らうそくのさきハたいの中にあり→たらい!あらし、山をさつて軒のへんにあり→かざぐるま!など分かりやすいものもあれば、答えをみても答えが分からないものまであった。ふづくゑのうへの源氏の九のまき→ふすま!源氏のはじめさ衣のはじめに人申さむ→伊勢物語!など文芸関係の常識となる知識を教える謎かけもあった。2020/12/27
Э0!P!
3
日本語の特徴である区切りのない表示法の中に和語、漢語あらゆる語彙を溶かし込んだことによって、初めて成立したなぞの数々は、世界に唯一無二のものであり、日本語の奥深さを改めて痛感させられる。2013/11/15
えふぇくたー
2
中世日本の「なぞなぞ遊び」集。「謎(なぞ)」とは「何ぞ」に由来。最初は当ててやろうと少し考えながら読んでいたが、答えを見てもそもそもその言葉を知らないのも多い。またこれは回答無理だろというなぞなぞばかりで途中から考えるのを放棄。自分の古文知識と頭ではほぼ全滅。雰囲気が楽しめればいいんです。「すなかへつて五つ」、答「那須与一」。これくらいならまあ。2018/12/15
yuu-classic
1
中世から存在した、なぞなぞを集めたもの。昔からなぞなぞが存在したこと、そのものにも驚きましたが、存外巧妙に作られていることにも驚きました。2020/03/18