出版社内容情報
主人公源氏の胸中に深く刻まれた継母藤壺への思慕を出発点として,栄光と寂寞の生涯を辿った四四帖.そして息子薫の世界を描く宇治十帖.始発から終末まで七十年余の時代を追うこの物語には王朝文化の粋が結集され,後世に絶大な影響を与えた.三条西実隆筆青表紙証本を底本とし,複雑な文脈を解きほぐす注を施す.
内容説明
「胡蝶」から「若菜 上」にいたる11篇を収める。ますます美しさを増してきた玉鬘に、源氏の心はあやしく乱れるばかり。結局彼女はむくつけき鬚黒に嫁ぐこととなった。舟遊びや管絃に打ち興じる上〓たちの花やかなざわめきを残して、はや秋も過ぎ去ろうとしていた。
目次
胡蝶
蛍
常夏
篝火
野分
行幸
藤袴
真木柱
梅枝
藤裏葉
若菜 上
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
20
和歌を訪ねる旅③。玉鬘「行方なき空に消(け)ちてよ篝火のたよりにたぐふ煙(けぶり)とならば」・・・庭の篝火を見ながら、光の君が「恋の煙」と歌を詠む。それに対して玉鬘は、そんな思い(煙)など「消ちてよ」(どうか消してしまってください)とあっさり否定・・・。聡明で物語中とりわけ美しい人。2015/08/24
やま
13
相変わらずの恋多き源氏。玉鬘がややこしい位置だね。◇若菜がひたすら長い。しかも、内容が濃い。明石の上、明石姫、入道、尼の物語を挟みながら、女三ノ宮に対する紫の上の微妙な位置。そして、屏風にも描かれる、有名な蹴鞠と猫の場面。ここが頂点と言うか、確信部分だよな。そして、若菜(下)に続く。2024/06/05
ほーりー
4
これで残りあと一冊(1→2→5→6→3とスターウォーズ並みにランダムな順番で読了)。ここまできても結局、文章がなんとなくきれいとかそういうレベルでしか読めてないけど(ストーリーなんてさっぱり頭に入らず)、とりあえず読みきってやろう。人生先は長いし今のうちに一回くらい。2012/04/21
MatsumotoShuji
0
再読2005/01/03
MatsumotoShuji
0
040822