岩波文庫
神楽歌・催馬楽

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  • サイズ 文庫判/ページ数 283p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003000618
  • NDC分類 911.63
  • Cコード C0192

出版社内容情報

記紀の歌謡,万葉集の東歌等の流れを受け,梁塵秘抄に収められた雑芸の歌に先行する平安時代の民謡をあつめたもので,神楽歌・催馬楽・東遊・風俗がその大部分をなしている.楽章類語鈔など価値の高い写本を参考して,全歌詞を平仮名に書き下し,適当な漢字を充てて一般読書子の閲読の便に供した.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

19
印字が紙にめり込むような感じの印刷物となっている。「催馬楽」の「浅水」。「淺水(あさむづ)の とンとろ とンとろと降りし雨(あめン)の 舊(ふ)りにし我を 誰(たれ)ぞ此(こン)の媒人(なかびと)立てゝ 御許(みもと)の有様(かたち) 消息(せうそこ)し訪(とぶらひ)に来るや さきむだちや」(114頁)。雨の降り方が、とンとろと いうのは、擬音語の面白さ。今はザーザーでもきかない感じだが。「風俗」で、「我門(わがかど)」。 2014/07/14

双海(ふたみ)

17
私が買った本は「リクエスト復刊 2012年春 28点34冊」という緑色の帯がかかっています。奥付を見ると「1935年7月15日 第1刷発行  2012年2月22日 7刷発行」とあります。地味な本かもしれませんが、音読してみると楽しい。歌ですから黙読ではあまり意味がないと思います。2014/06/27

ダイキ

8
大学図書館。これは凄く良いなあ。ことばの意味は分からなくとも、その響きを味わっているだけで、なつかしさが込み上げてくる。頭で理解出来なくとも、魂が自から感じる。数年前に復刊されているみたいだから、綺麗な状態なものを、是非手元に置いておきたい。「あな尊/今日の尊さや/古も はれ/古もかくや有りけむや/今日の尊さ/あはれ そこ良しや/今日の尊さ」、「新しき年の始めにや/かくしこそ はれ/かくしこそ仕へ奉らめや/万代までに/あはれ そこ良しや/万代までに」2015/06/03

miyuki

1
純粋の極みを持つ歌たち。日本の歌は、例えば和歌や中近世の歌謡がそうだが、とても技巧的で共有されたイメージを前提に展開するものが多い。ここ集められた歌は素直な古代人の情感である。難しい意味の詞は使われていない。古代の詞ではあるが、編者武田祐吉氏による当て漢字によってその歌の意味をずっと簡単に知ることができるのだ。無駄の一切ない、ある意味文字の上で寂しい歌詞は伝えたいことをダイレクトに享受者に伝える。この素直さ、詞の少なさが現代人には不気味に感じられるかもしれないが、童心のような太古の情感だと思うのである。2015/04/28

miyuki

0
3月6日より。案外、短歌体の歌謡もおおくて、万葉集よりもずっと素朴を極めるその歌詞は、詠者こそ明らかでないものばかりだが、美しいこころが溢れているといえよう。行分かちがきで載せられているので、詩を読むような感覚で古代の歌を味わうことができる。古代の日本人の抒情を存分に感じることができるこの歌集は、たとえ編纂した者が身分ある者たちだったとしても、万葉集と同じで、もしくはそれ以上に当時の民衆から宮人までのこころを書き留めた、とても素敵な魅力で溢れているように感じるのだ。2015/03/08

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