出版社内容情報
社会が危険な方向に向かい始めたとき、次世代を育てる者はどう身を処すべきか。20世紀の新教育思想を身につけ、ナチス政権下で密かな抵抗を続けた一人の教師アドルフ・ライヒヴァインの生涯と実践の試みから私たちは何を学べるだろうか。暗い時代に輝き芽吹いた小さな村の学校の営みから、教育の不易の姿を描き出す。
内容説明
社会が危険な方向に向かい始めたとき、次世代を育てる者はどう身を処すべきか。20世紀の新教育思想を身につけ、ナチス政権下で密かな抵抗を続けた一人の教師アドルフ・ライヒヴァイン(1898‐1944)の生涯と実践に、私たちは何を学べるだろうか。暗い時代に輝き芽吹いた小さな村の学校の営みから、教育の不易の姿を描き出す。
目次
1 ナチスのドイツにとどまる
2 ティーフェンゼー農村学校への赴任
3 ナチス教育とティーフェンゼー農村学校
4 『創作する子どもたち』―抵抗の教育
5 思い出のなかに生きるティーフェンゼー教育
著者等紹介
對馬達雄[ツシマタツオ]
1945年生まれ。教育学博士(東北大学、1984年)、秋田大学名誉教授。専攻、ドイツ近現代教育史、ドイツ現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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左手爆弾
3
ナチス体制下で面従腹背を貫いたライヒヴァインの活動を紹介。亡命の選択肢もあったが、あえて農村の学校で子供たちを教えることを選んだ。「教育の特質は子どもから出発し子どもによって規定される」「手で創作したものは、頭で楽に理解できる」との信条のもと、独創的な教育活動を行なった。温室を作るという授業の中では、教師もまた専門家(職人など)の指示に従って作業することで、教師は万能ではなく、ともに学ぶ仲間なんだということを身につけさせる。ヒトラーやナチスの「教師嫌い」の風潮と戦った一面も多く見える。2024/10/26