出版社内容情報
栗林に群生するカタクリ、斎藤茂吉の好んだオキナグサのある風景…。失われようとしているのは生物多様性だけか? 土地の生産力を最大限に引き出して利用されてきた自然環境--数十年来、東北の地を調査してきた著者が里山を再定義。数々の風景写真と静かで熱い言葉で、民族知としての文化の重要性を語る。オールカラー
目次
1 里山の豊かさ
2 風景が消えようとしている
3 消えてしまった里山の姿
著者等紹介
永幡嘉之[ナガハタヨシユキ]
1973年兵庫県西脇市生まれ。山形県を拠点として、昆虫類を中心に動植物を調査する一方、絶滅危惧種の保全を継続的に実践する自然写真家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ichigomonogatari
6
里山を作り上げ土地を最大限に利用していたころ人が持っていた知識や技術はすごかったことに感心した。便利になると人の能力は衰えていくんだな。優先順位と必然性で考え抜かれ、作り上げられた里山は絶妙なバランスで持続可能で自給自足な生活を可能にし、生物多様性を保ってきた。技術が進歩したはずの今、今度はSDGsを求めている、とは・・2021/11/24
kaz
1
里山の生態系の重要性を紹介。住むかと言われても難しいが、やはり残ってほしい風景というのは勝手な思いか。図書館の内容紹介は『栗林に群生するカタクリ、斎藤茂吉の好んだオキナグサ…。失われようとしている里山の生物多様性。長年、東北の地を調査してきた著者が里山を再定義。民族知としての文化の重要性を語る。写真も多数掲載』。 2021/11/13
ひつじ
0
里山から失われているものは生物多様性だけではなく、民俗知の消失もある、の主張にはっとさせられた。”かつての里山の管理のように永続的な仕組みをどのようにつくり、誰が作業を担うかという点だ。作業するなら多くの人で楽しく、という話が出がちだが、このような場面では、生業として里山と真剣に向き合ってきた農家の矜持を理解したうえで、単なるイベントにすり替えないことが重要だ。”2024/01/07
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