出版社内容情報
安価で便利な素材として過剰に生産・消費され、大量に捨てられているプラスチック。特に海洋プラスチック汚染は21世紀最悪の環境問題の一つと言われる。この問題の全体像を提示し、産業政策の側面にも光をあてて解決策を検討する。
内容説明
安価で便利な素材として過剰に生産・消費され、大量に捨てられているプラスチック。マイクロプラスチックや海洋プラごみ問題が大きな話題となり、レジ袋や使い捨てストローをやめるといった取り組みが連日報道されている。1人あたり世界第2位の容器包装プラスチック大量廃棄国日本の取り組みは急務。環境政策とともに経済・産業政策の側面にも光を当てて解決策を検討、私たち一人ひとりの取り組むべき課題についても平易に解説した必携の1冊。
目次
第1章 プラスチックとはどんな物質なのか―増える消費と廃棄
第2章 海洋プラスチック汚染―その現状と影響
第3章 プラスチック汚染を減らすために―世界の取り組みの動向
第4章 プラスチックごみ問題を考える視点と枠組み
第5章 日本の課題
著者等紹介
枝廣淳子[エダヒロジュンコ]
1962年京都生まれ。東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。環境ジャーナリスト、翻訳家。幸せ経済社会研究所所長。大学院大学至善館教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
18
数十年前に「レジ袋をやめよう」という運動が広がった。その時の主な理由は「化石資源は枯渇するから」であった。そこで、業界団体から「レジ袋は原油を精製する過程で生じるナフサを使って製造しているのだから、レジ袋をやめても化石資源の保全には関係ない」という声が上がり、運動の勢いは失われた。ここでの問題は「供給源としての問題」であった。昨今の「レジ袋をやめよう」は、「吸収源としての問題」への対処として出てきている。資源面で問題がなくても、自然環境では分解できないプラスチックごみとしてたまり続ける事が問題になっている2020/08/04
てらこ
14
昨年、スタバがプラスチック製ストローの使用を廃止する計画を発表してから、なんとなくプラスチックが気になってたので読んでみる。薄い小冊子ですが、情報が網羅されていて内容もわかりやすく、〈はじめの一冊〉にぴったりでした。考えてみると、本当に身の回りはプラスチックだらけだなぁと実感。洗濯の排水が海のプラスチック汚染につながっている、など知らなかったので驚きました… 循環型社会の仕組みづくりと、企業単位、個人単位での取り組みの必要性を感じました。まずはマイボトルを持ち歩きたいと思います^_^2019/08/28
アセロラ
12
「環境を考えてレジ袋有料化」とよく聞きます。有料にしても使う人は使うし、うちはレジ袋をゴミ袋にしているので、レジ袋がなくなればゴミ袋としてビニール袋を買うと思います。ただ、身近なレジ袋のことが話題になれば、少しは社会の関心も集まるのかなと思いました。ニュースを見てるだけではわからない、プラスチックのことがよくわかりました。第4章の、プラスチックごみを考える枠組みがわかりやすいです。「バイオプラスチック」は化石資源節約が重視なのか、海洋での分解を重視するのか。それらは性質が異なります。2020/02/09
ぱぴい
8
プラスチックはどんな物質かを第1章とし、汚染の現状と影響、世界の取り組みの動向、プラスチックごみ問題を考える視点と枠組み、日本の課題の全5章で書かれている。世界では、規制と禁止令の策が進められていて、日本よりも経済的に発展していないイメージの国、閉鎖的なイメージの国ですら取り組んでいるなか、日本がいかに消極的であるかショックを受けた。プラスチックに囲まれた暮らしをしてきた以上、これからは意識、発想の転換が必要だ。水をお店でくめて、アプリでわかるシステムなど英国ではそんな魅力的な取り組みがすでに始まっている2020/08/11
マイケル
8
本書表紙に書かれているように、「レジ袋をやめれば大丈夫と思っていませんか?」や、メディアで紹介されたプラスチックストローだけが問題ではないことが、本書で分かります。問題を上記のように矮小化してそれでOKとするのは誤りだと思います。このままほっておけば将来深刻な問題が起きてもおかしくないと思います。地球は人間だけの星ではないのですから、他の生物のことも考えるべきだと思います。人間の欲望のためにこれ以上地球環境を破壊するのは許されることではありません。政府が主導し大手企業の協力が必要だと思います。2019/07/16
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