出版社内容情報
突然にうつ,そして七年後には「双極性障害」だとの診断.子育ての悩み,寛解に向けての日々を綴る.
海空 るり[ミソラ ルリ]
著・文・その他
内容説明
多忙なある日、突然、うつと診断される。その7年後、今度は「双極性障害」だとわかる。試行錯誤の中での、薬や自分の症状とのつきあい方、子育ての悩み、医療者との関係、他の患者との交流、そして寛解に向けての日々を、患者に必要な情報とともに、具体的に綴る。
目次
1 うつで倒れる
2 何が起きたのか
3 病と向きあう
4 少しずつ前に、でもまた後ろに
5 新たなステップへ
6 回復途上の悩み
7 病とともに、生きること
著者等紹介
海空るり[ミソラルリ]
エッセイスト。1972年生まれ。大学卒業後、大学院に進学。修士課程修了後、大学にて教員を務める。2003年に結婚、2児出産。2012年に双極性障害と診断される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
47
【「当たり前」とは舗装された道のようなものだ。歩きやすいが、そこには花は咲かない。(ゴッホの言葉)】「双極性障害」の著者が試行錯誤の中、医療者や薬や自分の症状との付き合い方、寛解に向けての日々などを、患者に必要な情報とともに綴る書。2019年刊。<いくら再発予防に取り組んでいても、いつまた再発し、躁とうつに振り回される生活を送るようになるかはわからない。不安がないと言えばうそになるが、その時が来たらまた悩めばよい。今は愛する家族との穏やかな暮らしを何より大切にしながら、日々、感謝して生きていきたい>と。⇒2025/05/14
mana
31
双極性障害の方の体験談。図書館で偶然出会った本だったが、かなり役に立った◎ 躁状態のエピソードは、共感できる部分から、そんなことあるんだ!?という部分まで幅広い。幻覚や妄想はないタイプなので、~の子孫だとか、お城の相続…というものを信じることにビックリ。でも、大量に物を買ってしまう、軽躁状態の時に動きすぎて余計ひどくなる…というのはよくある。鬱の時に「寝逃げ」してしまうこととかも。この方の場合は、旦那さまが理解ある方でよかったんだろうなぁ。マインドフルネス、やってみようかな☺2022/04/24
涼
30
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/07/post-d8efc3.html2019/07/30
k sato
27
双極症の体験を赤裸々に綴った79頁の手記。いま、双極症に苦しんでいる当事者にぜひ読んでほしい。躁状態の症状は、妄想、浪費、質屋通いなどであったと告白している。1億円の家を買う段取りを始めたり、大量の洋服を購入してブティックを開こうとしたり、II型の症状としてはかなり激しい。筆者には、奇行を止める夫がいることが救いだ。産後うつの辛さだけでなく、育児が十分にできない自分に対する罪悪感には胸が痛んだ。ただ、治療過程を「闘病」と表現している点には共感できない。この思考回路が筆者を苦しめているのではないだろうか。2024/12/15
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
22
【1回め】著者は1972年生まれで、2児の母である。本著を手にしたのは、私もこの双極性障害の診断を受けているからで、当事者(=患者さん)はもちろんのこと、家族や友人などの近しい人にも広く勧められる内容であった。当事者さんの中には、ここで書かれている内容に「既視感」を覚えるかもしれないが、ご自身の病歴を振り返り、まとめてみる作業には役立つものと思われる。少なくとも、「物を書く」仕事もこなせるようにまで寛解に近づけることもあるというのは「希望」に他ならないと感じた。2019/07/08