岩波ブックレット
学問の自由と大学の危機

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 86p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784002709383
  • NDC分類 316.1
  • Cコード C0336

内容説明

これまでにない事態が起きている―。2015年6月16日、国立大学長会議であいさつに立った下村博文文部科学大臣(当時)は、国立大学の学長たちに向かって、「入学式・卒業式における国旗・国歌の取り扱いについて、適切にご判断いただけるようお願いする」と述べた。なぜ公的な場で文部科学大臣が「要請」をすることが問題なのか。大学・学問・知と政治の関係はどうあるべきか。「学問の自由を考える会」のシンポジウムにおける憲法学者、歴史学者、政治学者による報告と、討議を踏まえた教育学者の論考を収載。

目次

第1章 天皇機関説事件八〇周年―学問の自由と大学の自治の関係について
第2章 大学と国家―ヨーロッパ大学史に見る悩ましい関係
第3章 民主主義と学問の自由
第4章 学問の自由の危機―自由な社会のために

著者等紹介

広田照幸[ヒロタテルユキ]
1959年生まれ。日本大学文理学部教授。専攻は教育社会学

石川健治[イシカワケンジ]
1962年生まれ。東京大学法学部教授。専攻は憲法学

橋本伸也[ハシモトノブヤ]
1959年生まれ。関西学院大学文学部教授。専攻は西洋史学

山口二郎[ヤマグチジロウ]
1958年生まれ。法政大学法学部教授。専攻は政治学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

30
イェリネックの学問は、社会学のメガネと法学のメガネの2枚重ねで、国家を認識するのが特徴(13頁)。一番重要なのは、天皇機関説とは、一個の法学的国家論であるということ(20頁)。橋本伸也教授の玉稿はhttp://academicfreedomjp.wix.com/afjp#organizer/cnve41頁。2016/04/14

オサム兄ぃ

8
学者も学生も口々に「忙しい」という。挙句、本など読む暇はないと言い出すので、そりゃ本末転倒だろうと思ってしまう。この背景に国の管理強化臭を感じるのは「管理教育千葉」で育った故か。大学に「君が代、日の丸」問題発生のニュースを目にし、続いて「大学に文系学部はいらない」報道に接した折に、新刊を見かけ読んでみた。本書にはシンポジウムでの憲法、歴史、政治の各学者の講演と教育学者の考察が収められている。昨年が「天皇機関説事件80周年」と知るにつけ、盤石とはいえない「学問の自由」を鍛え直していく必要を痛感した。2016/03/01

ペンギン伊予守

3
石川健治先生の第1章を読むためだけに買う価値はあります。2016/06/07

ねぎとろ

0
憲法プロパーには常識かもしれないが、石川健治の第一章は目から鱗だらけ。美濃部達吉の個人史から始まり、戦前における公共空間/私的空間の議論から法人国家論に進んで美濃部のスマートな機関説論(あるいは国体論)まで、実に明快。「学問の自由」条項がドイツ式のやや特殊な条文だというのは意外だった。2021/11/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10478574
  • ご注意事項