出版社内容情報
失意の武士にみる不透明な時代の生き方とは。
志なかばで失意のうちにある山本常朝、失脚して藩の要職を追われた田代陣基……。二人の対話から浮かび上がる人と武士の要諦とは何か。
「武士道とは死ぬこととみつけたり」。この言葉を知らぬ日本人はいまい。しかし、この言葉の出所である『葉隠』が、どのようにして完成されたか、その事情を知る人となると、数はぐっと減るのではないだろうか。
▼『葉隠』は、鍋島藩の二人の武士によって書かれたものである。正確に言えば、志なかばで失意のうちにある山本常朝に、失脚して藩の要職から去った田代陣基が質問をし、そのやり取りを筆記したものなのである。
▼冒頭の一文のみがあまりに広く世に知れ渡っているが、『葉隠』は全十一巻に及ぶ大作。しかも、内容は武士がどう生きるかをまとめたものというより、本書の著者は「組織における人間関係の心得」「日常生活の心構え」などを記したものと言ったほうがよいという。
▼したがって本書も読者対象をビジネスマンにおき、現代社会にも通じる、「不透明な時代を生きる叡智」の書として読んでほしいという。きっと新しい『葉隠』観を発見するだろう。
●序章 山本常朝と田代陣基の出会い
●第1章 常朝、半生を語る
●第2章 鍋島家の家風
●第3章 武士らしさとは
●第4章 常朝、忠誠を説く
●第5章 君臣の道
●第6章 武士の意地
内容説明
武士道とは死ぬことと見つけたり―。これが尚武思想に貫かれた『葉隠』のなかの一文であることを知らぬ人はいまい。しかし、全11巻からなる『葉隠』がどのようにして書き上げられたのか、その成立事情を知る人はどれほどいるだろうか。本書は、その成立事情を追いつつ、山本常朝と田代陣基、この二人の男の対話から、現代人にも通ずる生き方の知恵を示唆した作品である。
著者等紹介
童門冬二[ドウモンフユジ]
本名、太田久行。1927年(昭和2)生まれ。東京都立大学事務長、東京都広報室課長、広報室長、企画調整局長、政策室長を歴任。1979年(昭和54)、美濃部都知事の引退とともに都庁を去り、作家生活に専念。在職中に培った人間管理と組織の実学を、歴史と重ね合わせ、小説、ノンフィクションの世界に新境地を拓く。『暗い川が手を叩く』で第43回芥川賞候補。日本文芸家協会ならびに日本推理作家協会会員。1999年(平成11)、春の叙勲で勲三等瑞宝章を受章。講演テーマは「歴史に見る地方分権」「歴史に学ぶまちづくり」「歴史に学ぶリーダーの条件」など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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