出版社内容情報
2014年9月に完成し公開された「昭和天皇実録」。その本文をひきつつ、日本の命運を揺るがせた天皇の決断に至る経緯と心情に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
41
天皇が強い口調で、「戦争になった場合、勝算はあるのか」と訊ねられた。永野軍令部総長は、「もちろん、ございます」(22頁)。嘘つけ。いまだに米軍基地と、放射能漏れの健康被害じゃないか。戦争ははじめるのは簡単。終わらせるのは至難の大業(90頁)。聞きにさいして人間はどんなことを考え、どんな風に行動するものか、歴史に学ぶことができる。歴史認識をきちんとしないことには、危機というよりは危険な感じだけで誤った判断をこれからもしてしまう(92頁)。2016/04/14
犬養三千代
11
開戦では昭和天皇は随分抵抗したように書かれている。また、誰も責任を取らないような書き方。終戦は鈴木貫太郎。実録長くて途中で挫折中だが読まないとね。、2023/04/11
フンフン
8
「昭和天皇実録」を読み解いて、従来の研究との異同を明らかにする。とくに、8月9日の最高戦争指導会議で、4条件をつけることで合意ができたというのは従来の定説と全く異なっている。だが、木戸日記を読み返してみると、確かに4条件付き受諾に決したとの記載がある。その後前外務大臣重光葵が巻き返し工作をして、閣議で3条件を削ることに決せられたのだという。なぜ従来の研究では、この木戸日記の記述を無視していたのだろうか? 「定説」というは信じちゃいけないとつくづく思う。2021/03/01
モモのすけ
6
『日本のいちばん長い日』とセットで読むことをお勧めします。「戦争終結はほんとうに剣の刃渡りのような危険をやっと乗りこえて達せられたものであったことがよくわかる」2015/09/15
jack
5
真実に背を向け、虚飾に走れば、歯車は動きを止める。真実の歴史のみが未来の危機を防ぐ。☆5.02021/06/13