出版社内容情報
日本の労働者が抱える様々な問題に対して、ILO(国際労働機関)をどう活用しうるのか。非正規労働者の正規化、女性差別の撤廃、大量解雇の撤回、教員の地位の確保、労働者の安全衛生などについて、実際にILO条約を用いながら事態を動かしてきた著者が、数々の実践を紹介。日本が条約の定める国際労働基準を達成することを訴える。
内容説明
日本の労働者が抱える様々な問題に対して、ILO(国際労働機関)をどう活用できるのだろうか。非正規労働者の正規化、女性差別の撤廃、大量解雇の撤回、教員の地位の確保、労働者の安全衛生などについて、実際にILO条約を用いながら問題解決を模索してきた著者が、これまでの実践を紹介。ILOの基礎知識を紹介しながら、日本が国際労働基準を達成することを訴える。
目次
第1章 ILOとは何だろうか
第2章 日本はILOとどう関わっているのか
第3章 日本の労働者はILO条約をどう活用してきたか
第4章 日本に国際労働基準を確立するために
著者等紹介
牛久保秀樹[ウシクボヒデキ]
1947年生まれ。弁護士(新宿総合法律事務所)。ILO条約の批准を進める会代表
村上剛志[ムラカミタケシ]
1942年生まれ。公益財団法人社会医学研究センター理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
18
日本は15年戦争のときに、ILOも脱退し、 戦後は18の条約を批准していない(14頁)。 だからブラック企業が多すぎる。 非正規について、 生涯雇用システムの優位性が崩れ、 労働市場が二重構造が拡大。 経済停滞で非正規に失業が拡大(44頁~)。 非正規人生で終わるのは短命になりそうだ。 寿命は短いだろう。 批准された国際条約は、裁判規範として 機能する(56頁)。 なぜ政府は批准しないのか? それは日本という国は、 世界一企業が活躍できる国だから。 労働者が痛めつけられる国といえる。 2014/05/25
ゆう。
10
日本の具体的労働問題について、ILO条約を活用してディーンセント・ワークを確立していくことを述べられた本です。ブックレットなので、とても読みやすいです。本著では、まずILOとは何かから始まり、日本がILOにどのようにかかわっているのか説明されています。そこでは、日本政府のILOへの消極的姿勢がわかります。そして、具体的労働問題がILOをどのように活用し、日本政府に対してILOがどのように勧告してきたのか説明されています。実践から基礎知識が学べるものとなっています。多くの方に読んでほしい一冊です。2014/08/06
びすけっと
9
2014年5月刊。ILO(国際労働機関)の存在は公民で習って知っていましたが、日本の労働のありようと、ILOの関わりは知りませんでした。日本の働き方、働かせ方が世界全体の考え方からほど遠いことが、日本政府+国会がILO条約をまだまだ批准していないことからも受け取れました。「労働は商品では無い」。その通りなのですが、逆の道を歩む日本。はたらく者への相応の待遇と対価を保障していかなければ、国の経済は成り立たないと考えます。多くのはたらく者へ還元してこそ、利潤もより豊かに生まれると思います。2015/02/23
渡邊拓視
0
日本はILOに加盟しているものの条約の批准は75%もなされていない。近年ブラック企業などと呼ばれる企業が多くある中、こういった国際的な取り組みが不可欠なのではないか。2016/11/27