内容説明
憲法改正、教育改革、TPPへの参加、原発輸出…。アベノミクスの成果が喧伝されるなかで、第2次安倍政権が進めようとしているのはどのような国家体制づくりか。ジャーナリストとして、国家による「内心」への介入や貧困・格差問題、消費増税の問題などを取材してきた著者による渾身の安倍政権論。
目次
1 安倍政権をどう見るか
2 アベノミクス、TPP参加が意味するもの
3 衛星プチ帝国の臣民を育てるために―教育は誰のものか
4 改憲への意欲
5 恥ずかしい国へ
著者等紹介
斎藤貴男[サイトウタカオ]
ジャーナリスト。1958年生まれ。早稲田大学商学部卒業。英国バーミンガム大学修士(国際学MA)。新聞記者、月刊誌編集者、週刊誌記者を経てフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
16
黙殺される沖縄の怒り(4頁~)。安倍首相の中で「戦後レジーム」とは戦争を否定する日本国憲法のことのみを指す(7頁)。株高も円安も実体経済とかけ離れたミニバブルの類(11頁)。庶民は騙されてはならない。景気がいいことと、個人一人ひとりが豊かになることとは必ずしも一致しない(16頁)。消費税が弱者を直撃する(19頁~)。倒産、廃業、自殺が激増の来年度(23頁)。生き残れるのだろうか? 今朝の生島ヒロシのおはよう一直線でも指摘されていたが、アメリカは日中武力対立の際に、守ってくれる保障はない。損得で米国は動く。2014/02/03
ぽんくまそ
10
安倍改憲政権の正体は、衛星プチ帝国、アメリカの掌の上での愛国(ガス抜き)ということだと語る。「あなたが日本語を喋っていること自体が非関税障壁だ」と言うUSAの役人がえげつない。自称・自由民主党のタリバンな憲法案その他が、えげつない。インフレ政策は消費税を稼ぐための政策だというのは、なるほどと思った。中国の脅威はどうするんだという人がいそうなので書いておく。軍産共同体には、軍拡の口実となる敵役が必要だから、プロレス的にケンカするふりして、つるんでるんだよ。米ソ冷戦のように。2015/07/06
coolflat
7
TPPの理解に関して異論はあるが他は概ね納得する。著者の意見で最も目から鱗だったのは「パッケージ型インフラ海外展開」についてだ。この政策は原発輸出にも絡む重要な事だが、民主党政権に引き続き安倍政権も国策として推進している。これが憲法改正に繋がっていると言う。これが推進されれば、これに関わる日本国民が海外でトラブルに巻き込まれる可能性が飛躍的に高まる。だからこそ自衛隊が対応できるよう、ネックとなる憲法9条を改正する。リスキーなビジネスほど旨みが大きい。だったらネックとなるのを変えてしまえばいいという発想だ。2013/10/02
がんぞ
6
むかし娘に「景気というのは政治家の通信簿のようなもの、悪くするのは直だが良くするのは難しい」と。安倍高支持所以。斎藤は野田を低評価(父が自衛隊なのを特記)、「前政権が悪過ぎたから当面人気があるのは当然」参院選まで景気安倍人気持続しそうと失速期待「改憲して『戦争できる国』にしようとしている」(俺は喧嘩を売られたら憲法では防げ無いと思う)「平和憲法により戦争して非武装の民間人を虐殺したことはなかった」(明かにベトナムで韓国がやったことを意識している)。中国の軍事攻勢に左翼は公明党同様「祈るのみ」平和教ポエジー2014/06/22
Hiroshi
5
2013年5月のワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズ等に安倍首相を危険視する社説が掲載されたことを、「安倍政権が目指すしているのは"衛星プチ(ポチ?)帝国"で、この傀儡のような政権が過去の帝国主義時代の栄光に縋って自らを慰めていたら、いつの間にか行き過ぎてガス抜きぐらいは許してくれた相手を怒らせてしまった構図」と言い切るのは、凄い。2013/09/17