岩波ブックレット
いま考えなければならないこと―原発と震災後をみすえて

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  • サイズ A5判/ページ数 63p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784002708553
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0336

出版社内容情報

2008年に亡くなった加藤周一氏は,友人たちとの雑談を好んだ.本書は,市民サークル凡人会メンバーと2000年12月に交わした雑談の記録である.原発,全共闘の評価から「世界平和」の怪しさ,フランスのカブト虫にいたるまで,繰り出される質問に,縦横無尽,軽やかな言葉の端々に,加藤周一のエッセンスが詰まっている.

内容説明

凡人会とは、1997年に東京で発足した市民サークルで、2007年までに60回の勉強会をおこなった。その勉強会に招かれた加藤周一氏は、この会を気に入り、年に1回程度、ゲストとして参加、自由な対話を対しんだ。本書は、2000年12月に上野毛の中華料理店で行われた対話の記録である。そこには、阪神・淡路大震災(1995年)や東海村JCO事故(1999年)を踏まえ、原発、核、震災について語る加藤氏の姿があった。

目次

はじめに―等身大の加藤周一さんの魅力
1 原子力と「世界平和」
2 フランスのカブト虫
3 「いつの日か我らうち勝たん」

著者等紹介

加藤周一[カトウシュウイチ]
1919~2008年、評論家。東京大学医学部卒業。医学博士。学生時代から中村真一郎・福永武彦らと「マチネ・ポエティク」結成。1947年中村・福永との共著「一九四六・文学的考察」で注目される。以後、日本のみならず、ドイツ、カナダ、アメリカ、中国などで教鞭をとりつつ、多くの評論を発表する。九条の会呼びかけ人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

15
原発推進派は後のことを考えない、刹那的な発想できている(23頁)との指摘はそのとおりだと思う。彼らには、孫は居ないのだろうか? 今のところ、わが家は評者の世代で断絶すると思うが。加藤先生は、「未来をつくるためには、一つ一つが小さくとも、全体として大きな流れにならなくてはならない。少数意見がいくつかあるとき、多数意見にとってかわる。社会が変わる。それが民主主義のいいところ」(63頁)。多様性ある少数意見が個性を放ち、もって、多数派の常識を、少数派の常識(従来の非常識)がオルタナティヴとなる面白さが貴重。2013/05/19

ぼーくー

0
☆☆☆☆2014/04/04

toshokan-no-hito

0
読む進むごとに、頁をめくるたびに、新たな視点と意表を突く論考がアタマを刺激する。わずか60頁の奇跡。学生諸君よ、読むべし!考えるべし!そして疑うべし!それが加藤周一の望むところだ。2013/03/06

dani

0
この本のもとになった雑談が行われたのは2000年。その時点で阪神大震災と東海村のJCO事は起こっていた。この雑談はそのままフクシマにつながっていた。『科学に「絶対」はない。「絶対」といったら、それは信仰の問題です。かくして「安全神話」ができあがる。』そうなると、東通原発の活断層を巡る解釈は問題外か。2012/12/16

愛希穂

0
後で2013/01/19

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