内容説明
再開発が進む沖縄の激戦地跡から次々と発見される日本兵の遺骨は、何を問いかけるのか。その一体の頭蓋骨から、ミイラ化した脳髄が転がり出た―。65年目の骨の告発。
目次
骨に呼ばれて
珊瑚のカケラをして糺しめよ
熱狂の夏の足下に
ある“一兵卒”女性の戦中・戦後
六五年目の黄泉がえり
「戦死」を掘る―沖縄における遺骨収集の現在的展開
無数の罅れと襞に向かって
著者等紹介
比嘉豊光[ヒガトヨミツ]
写真家。「琉球弧を記録する会 島クトゥバの記憶・記録」共同代表。1950年読谷村生まれ。琉球大学文学部美術工芸学科卒業
西谷修[ニシタニオサム]
東京外国語大学総合国際学研究院教授。思想文化論。1950年生まれ。東京大学法学部卒業、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
18
頭蓋骨から始まる。カラー写真は屍が多い。気が滅入るが、これが沖縄の現実。米軍が返還後も半植民地のような状況で、随分と沖縄の住民には酷い仕打ちをしてきた。ヴェトナム戦争では、沖縄は前線基地と化し、爆撃機が飛び立った(52頁上段)。沖縄の現実を直視できようか。移設ではなく、軍縮が正しい方向性。だが、政府も先送りで、矛盾を押し付けるだけでは好転しないであろう。2014/03/07
love_child_kyoto
2
これはすごいドキュメント2010/12/28
cino
0
これは必読。2017/02/12
tecchan
0
那覇の新都心は戦中、シュガーローフと言われた激戦地だった。沖縄では、再開発や公共工事などで戦死者の遺骨が今でも多数出てくる。戦争の傷跡が住民の日常生活の身近にある。そして,悲しいかな、遺骨収集は民間ボランティアが中心となってこれまで行われてきた。この本は,フォトドキュメントとして,そんな現状をつきつける。現在に生きる人に、なにを問いかけるのか遺骨となった人達。2022/02/22