内容説明
医師不足がいわれているいま、住民が自治体、医師会などに呼びかけながら、「当事者」として地域医療の再生を試みているところが全国各地にある。実際に医師数が増えてきているところ、病院建設を住民含めて話し合ったところなど、各地での実践例を通して、具体的に何ができるのかを提言。
目次
第1章 地域の病院に何が起きているのか
第2章 地域からの実践(母親たちの活動が医療再生のきっかけに―兵庫県西脇市;市区町村初の「地域医療を守る条例」―宮崎県延岡市;「三方よし」の地域医療再生をめざす―滋賀県東近江市;医療者・住民が「当事者」となるローコストの病院建築―岐阜県下呂市)
第3章 地域医療再生に必要なこと
著者等紹介
伊関友伸[イセキトモトシ]
1961年東京都生まれ。城西大学経営学部マネジメント総合学科准教授。東京都立大学法学部卒、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(行政学)。埼玉県県民総務課、川越土木事務所、出納総務課、大利根町企画財政課長、計画調整課、県立病院課、社会福祉課、精神保健総合センターなどを経て、研究者に。特定非営利活動法人ハンズオン埼玉代表理事。研究テーマは、行政評価、保健・医療・福祉のマネジメント、地域医療、自治体病院の経営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
16
これからの病院は、住民意識と医療福祉体制の変革が必要(13頁図1)。近江商人の三方よしを応用すると、東近江市の場合は、「売り手=医療機関よし、買い手=患者よし、世間=地域よし」(41頁)ということだろうか。個人の孤立、人任せの社会(64頁~)。滋賀県は図書館充実のようなので、県民になってみたいが? 2014/03/07
みぃ姉
2
医療崩壊の問題に対して、署名活動などで行政にただ対応を求めるだけでなく、私たち市民一人ひとりが考え方を改め、行動していかなければならないということを考えさせられました。病院を利用する側である私たち一般市民・患者は、決して「お客様」ではないということを、一人ひとりが理解することからスタートしなければならないと思います。2011/01/22
Tatsuya Michibata
1
私が以前から思っていたこと:医療機関の誘致や存続を単に住民が署名活動・要求のみして、後は医療関係者や行政関係者にまかせるだけではいけないのではないか?・・・この本は、住民が「当事者」として地域医療を再生することを呼びかけています。2014/01/11
yo yoshimata
1
「地域医療の再生は、民主主義の再生に連なる」というのは共感。住民の主体性の発揮は、地方自治の本領でもあり、そこに地域医療の再生は希望もあるという全国の事例から学べる。2011/06/29
けんとまん1007
1
病院とは一体何なのか?ここを突き詰めて考えることが大切。病院に関わる人全てが、当事者であるのだが、その観点の薄い人が多いのがこれまで。しかし、そこを問い直すところから、始めるしかないのだと思う。最近のコスト削減という言葉の使われ方も、間違っていると思うが、そこにも繋がる。本来の意味のコストとは?に繋がる。2010/09/20