出版社内容情報
戦後日本には「貧困」があった.地の底の炭坑では人間が石炭を掘っていた――日本資本主義を最底辺で支えた筑豊の中小炭坑の悲惨な実態を暴いた,1960年8月初版の本書は怠惰と飽食の現代を痛撃し続ける.〈解説=鎌田慧〉
内容説明
戦後日本には「貧困」があった。地の底の炭坑では人間が石炭を掘っていた―石炭から石油へのエネルギー転換の時代を背景に、日本資本主義を最底辺で支えた筑豊の中小炭坑の悲惨な実態を暴いた。1960年8月初版の本書は、怠惰と飽食の時代を痛撃しつづける戦後ルポルタージュの古典である。
目次
1 下罪人
2 追われ流れて
3 底幽霊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
39
壮絶。”歌は唖にききやい 道ゃめくらにききやい 理屈ゃつんぼにききやい 丈夫なやちゃいいごっばっかい” という鹿児島俚諺が全て納得できるルポルタージュ。2015/05/30
鼻毛カッター
2
50年以上前、中小炭鉱においておこった凄まじいまでの収奪の記録。どうしても現在(2010年)のいわゆる”ブラック企業"と比べてしまう。現代のブラック企業はまだまだ「甘い」とさえ思えるが、当時の炭鉱経営者と現代の企業経営者の言い分がそっくりなのに背筋が寒くなる。2010/03/29
1131you
0
出ニッポン記がすごかったので前日譚として。 こちらも壮絶。たかが何十年のことなのだ。 これを読んでから出ニッポン記を読むとなぜこんな目に見えた地獄にという感想は出てこないだろう。まさに行くも地獄留まるも地獄。 普段本を読んでて印象的な部分はメモするのだがそれが本著は難しい。きりがない。2024/07/23