出版社内容情報
宇宙の誕生は神なしにありえたか.宇宙はなぜあるのか.生命とは,心とは,時間とは何か.……人間をとりまく根本問題に重要な手がかりを与える新しい物理学.その核にある相対性理論と量子論を説き,科学と宗教の接点を衝く.
内容説明
宇宙の誕生は神なしにありえたか。宇宙はなぜあるのか。生命とは、心とは、時間とは何か―。人間をとりまく世界の解明に、現代の物理学はどこまで応えうるだろうか。本書は、相対性理論と量子論、およびこれらがもたらした最新の理論、還元主義に対する全体論を明快に説き、存在の謎に迫る。物理学の最前線から、科学と宗教の接点を衝く好著。
目次
1 変化する社会における科学と宗教
2 創世
3 神が宇宙を創造したのか
4 なぜ宇宙は存在するのか
5 生命とは何か―全体論対還元主義
6 心と魂
7 自我
8 量子的要素
9 時間
10 自由意志と決定論
11 物質の基礎構造
12 偶然か設計によるものか
13 ブラックホールと宇宙のカオス
14 奇蹟
15 宇宙の終り
16 宇宙は「無料の昼食」か
17 自然に対する物理学者の考え
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たばかる
2
宗教哲学を物理学で解釈する隠れた名作では?自分は近代物理学に関しては村山斉さんの本を数冊読んだだけだったが、物理の面の内容はだいたい理解できた。17ほどの話題について明確な答えは提示されないが双方の考えをぶつけ合って行く形態は面白かった。特に時間に対する物理学者と懐疑家の議論は抽象的な内容である分、一般の認識からずれた物理の時間概念を体感できた。2018/04/08
utmend
1
宗教と科学の描く神が、現代の物理学の視点から様々に検証されていました。著者の意見というよりは、現在ある論争の争点をまとめたといったふうです。ホフスタッターのゲーデル・エッシャー・バッハからいくつか引用されていて、対話篇なんかもこの作品から影響を受けているのかなと思いました。2013/02/21