同時代ライブラリー<br> トーマス・マン

同時代ライブラリー
トーマス・マン

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  • サイズ B40判/ページ数 294p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784002601717
  • NDC分類 940.28
  • Cコード C0323

出版社内容情報

詩的情感に包まれたリアリズムとイロニー,官能的な音楽性,観念的な叙述,精微な文体――マンの重層的な文学の創造の秘密は何か.内面に潜むドイツ的魔神性,戦闘的ヒューマニズムを軸に,文豪の創作原理の謎に迫る評論.

内容説明

詩的情感に包まれたリアリズムとイロニー、官能的な音楽性、北方的な憂愁感、観念的な叙述、精緻な文体―。トーマス・マンの重層的で濃密な文学の創造の秘密は何か。激変の時代を生きた文豪の波瀾の生涯と精神のドラマを辿り、内面に潜むドイツ的魔神性と戦闘的ヒューマニズムに光をあて、創作原理の謎に迫る。若き日に耽読したマンを創作上の師とも仰ぐ辻邦生の真摯の評論。

目次

第1篇 トーマス・マンへの道(小さなプロローグ;トーマス・マンとの出会い;複眼構造のエクリチュール;初期の小説技法と主題;マンにおける物語形式の意味)
第2篇 主題深化から見たトーマス・マン(世紀末の苦悶;精神と生のドラマ;時代と小説のあいだ;フランスへの一暼;小説と小説家のあいだ;市民たちのなかで;『魔の山』まで;生の根底にあるもの;ふたたび『魔の山』へ;『魔の山』を越えたあと;最後の旅の日々)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こたろー

3
『背教者ユリアヌス』などで著名な小説家辻邦生氏によるトーマス・マン論。僕が今まで読んできたトーマス・マン本の中では——といっても多くは読んではいないのですが、抜きん出ておもしろかった。学生時代にマンの『ブッデンブローグ家の人びと』の文章を解体してカードにとり、この作品を独力で精読していたという辻氏なだけに、文体構造の分析などは精緻をきわめています。現在、邦訳で入手することが困難となっているマンの回想録などの引用も屢々あり、ありがたい限りです。素晴らしい一冊。2011/10/07

hidehi

0
『魔の山』を読んでいると、NHKの「100分で名著」で『魔の山』が取り上げられ、さらに今度はこの本を発見。長年読み込んで本人もその影響を公言している小説家の書いたトーマス・マン論ということで読み始めてみたが、面白い。実作者ならではの洞察や、大学院まで行って文学を研究した(仏文だけど)だけあっての原文まで遡っての文体の構造の分析なども織り込んだ解説はとても興味深い。著者(とこの本が捧げられている北杜夫と)の"青春の書"の著者への影響と愛情がよくわかる。絶版なのが残念。ぜひ岩波現代文庫に入れてほしい。2024/05/23

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