出版社内容情報
チェコスロヴァキアにおけるスターリン時代の人権侵害を大胆に告発したこの短篇集は,1963年に刊行されると全世界に重い衝撃をもたらした.激動する現在の東欧を理解するために,先ず再読されるべき名著である.
内容説明
チェコスロヴァキアにおけるスターリン時代の人権侵害を事実にもとづいて告発したこの短篇集が1963年に刊行されると、全世界に重い衝撃をもたらし、作者は亡命生活を余儀なくされた。激動する現在の東欧問題を理解するために、まず再読されるべき名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Fumitaka
3
戦後スロヴァキアのスターリン主義時代のルポルタージュ文学である。前もって判決が書かれ(p. 81)、拷問(p. 365)や脅迫で引き出した偽証に基づく見世物裁判、また経済活動における「補給の不備」など、様々な微妙な話を活写している。ロシアだろうが日本だろうがどこの国のことだろうが、こういった過去の汚点から目をそらそうとする腰抜けを俺は許すことができない。上に挙げた正統派のスターリン主義の特徴のほか、スターリン批判の後もチェコでは見世物裁判が行われていたこと(pp. 342-3)など重要な点も描かれている。2023/02/19