出版社内容情報
時は南北朝合体後の室町初期,馬方関東小六を面影とする小六丸,女侠奴小万を思わせる姑摩姫の2人の主人公が南朝方の遺臣として活躍.善悪の副主人公を配し,波瀾万丈の物語が展開する.馬琴ならではの雄壮な読本.
内容説明
南朝遺臣の義侠譚。南北朝合体後の室町初期、近世の侠客に想を得た男女二人の主人公が南朝方の遺臣として活躍、波瀾万丈の物語を繰り広げる。曲亭馬琴ならではの構想雄大な読本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshi
1
未完に終わった馬琴の作品です。偶然の出会い、立ち聞き、血脈、更には妖術と、韓流ドラマも仰天の筋立てですが、全てはファンタジーと、楽しく読みましょう。 楠木正成の子孫のコマ姫の登場から俄然、面白くなります。女性ヒロインによる、アクションものを売り出すところは、江戸の出版界はハリウッド張りのビジネスセンス。コマ姫は、時の悪徳政権に抵抗するヒロイン、女版ロビン・フッドとでも言ったところか。物語が完成していれば、戦前からの芝居、映画のモチーフとして。今日までこの物語のキャラクターは息づいていたかもです。2024/01/30