出版社内容情報
見慣れない世界，不可思議な世界，恐ろしい世界－日常の外側に展開するあやしいけれども豊かな世界を記述する説話の数々．宿報，霊鬼，そして悪行……．巻二十六から三十一までを収録．待望の本朝部完結なる．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
302
今回は巻２７に特化して読了。この巻は「本朝付霊鬼」という副題の元に４４話が収録されている。そのいずれもが鬼や狐などの「人ニアラザルモノ」の物語。中には「在原業平中将女為鬼被噉語」のように『伊勢物語』第６段の「鬼一口」と同種の話を伝えるものもあるが、『伊勢』がそこはかとなく雅びであるのに比して、こちらの業平は女と見れば見境のないドン・ジュアンみたいで、そうした世俗的なところがまた面白くもある。俗的な方向から、王朝社会の一面を楽しめる貴重な文献だ。ことに鬼に会う一群の物語はリアリティに富んでおり、秀逸。 2017/02/01
gollum
4
今昔物語集を読むなら、なんと言っても本朝世俗部。無人島に持っていく一冊、と言われればこの5巻が候補になることは間違いない。
和沙
1
『今昔物語集』本朝部巻二十六「本朝付宿報」～巻三十一「本朝付雑事」までを収録。最も親しみやすい話が集まっていると思います。まずはこの本から、『今昔』の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
