出版社内容情報
貴種流離譚,羽衣譚など多くの古伝承を背景に,かぐや姫の昇天を描く『竹取物語』.在原業平とおぼしき「昔男」が,恋に生きみやびに生きる姿を歌に託して描いた『伊勢物語』.王朝の昔から読み継がれた作品2篇.
内容説明
かぐや姫と昔男を主人公に物語られる虚構世界。初期物語文学の代表作2篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かもめ通信
16
お目当ては『伊勢物語』底本は学習院大学蔵伝定家筆本で、解説は源氏物語研究でもお馴染みの秋山虔氏。欄外の注釈がこまかい!細かいのは文字だけではなく、至れり尽くせりのこまかさなのだ。同じページに載っているので、参照しやすいのもいい。まずは本文を読み、注釈を読み、また本文を読む。そうやって読み進めるてなるほど「歌物語」とはこういうことか!と納得した。古今和歌集などに収録されたなかなかに有名な歌をとりあげて、その歌が読まれた背景を物語たる。これって現代風に言うと二次創作というやつでは!?2024/06/24
naoco
6
原文などもあり読み応えがありました。解説も興味深い。2019/09/01
katasima
0
旧版の岩波古典文学大系同様に基本的に古典研究者及び研究者志向の人を対象とした本。 伊勢物語は旧版と同じ底本だが旧版の一部に見られた翻刻ミスは是正されている。 竹取物語は旧版の底本は武藤本、新大系の底本は天理図書館本と書かれているが同じ本のようで、唯一の室町期写本。 なお旧版には一緒に収められていた大和物語は除外されていて新大系には入っていない。2019/03/13