出版社内容情報
ライン河畔の貧しい音楽一家に生れた主人公ジャン・クリストフは,人間として,芸術家として,不屈の気魄をもって,生涯,真実を追求しつづける.この,傷つきつつも闘うことを決してやめない人間像は,時代と国境をこえて,人びとに勇気と指針を与えてきた.偉大なヒューマニスト作家ロマン・ローランの不朽の名作.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
66
中学時代……入学した頃は身長がクラスで小さい方で前から3番目くらい。それが、3年には高い方になっていた。知的にも背伸びし始めた。ベートーベンが何故かニュートン、アインシュタインと並んでヒーローだったからだろう、集英社版の世界文学全集の中の本書にかじりつこうと頑張った。ロマン・ロランは、高校生になってからは眼中になくなった。俺はもう中学生じゃないぞという気取り?思い上がりだったのだろうか。それも仕方ない。高一の夏にブロンテに嵌まっちゃったんだもの。
ロビン
15
20年ぶり位に再読したが、印象的だからか骨子は結構覚えていた。ドイツ人音楽家クリストフの生涯を描いた作品。今回読んでふっと感じたのは『源氏物語』との相似ー「無常観」であった。クリストフは様々な男女を愛しては別れる。心や肉体は移ろいゆく、その無常の中で―厳しい愛別離苦の現実の中で、クリストフは運命や、偽物の幸福と格闘してゆく。そしてロランはトルストイの弟子らしく、民衆の中、最も微賤なものの中に無限のものを見る。芸術家に、民衆と共に歩めという。ロランの素晴らしい人格と人間主義、芸術家としての誇りを湛えた名作。2025/09/27
鮎川まどか@AnxAn
6
◆曙のみで投げ。 面白くなりそうだが長すぎ。 この辺の反省から、冒頭にクライマックス前のシーンを置き、過去語りをする形のストーリーテリングが生まれたのだろう。 いつかは再読したい。2011/03/26
Figaro
4
ある作曲家の一大叙情詩。 クリストフがフランスに渡ってからのフランス社会の思想や文化に対する執拗な批判がロマン・ローランがクリストフを借りて延々と批判しているようで冗長に感じられた。それでも、この超大作では、クリストフの幼少期から三途の川を渡るまでの信念を貫く生き方が徹頭徹尾描かれており、一気に読了させる魅力があった。2015/11/12
Satoshi Murai
3
3回読んだ。広場の市はそれ以上読んだ。
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- 和書
- 口語訳雲根志 普及版