出版社内容情報
自由に生きたくて、国境の川を渡った3人の16歳――行動力のあるソル、サッカー好きのクァンミン、賢く冷静なヨルム。先行きの見えない旅路のなかで、彼らはどんな別れを経験し、不安と闘い、苦難を乗り越えなくてはならなかったのか。それぞれの波乱の月日を描き、若い「脱北者」の素顔を伝える、韓国発の強くて優しい物語。
【目次】
主な登場人物
波の子どもたち
作者あとがき
訳者あとがき
内容説明
自由に生きたい―新しい人生の可能性を求めて北朝鮮を脱出した16歳のソル、クァンミン、ヨルム。3人はどのような別れを経験し、不安と闘い、苦難を乗り越えなくてはならなかったのか。それぞれの波乱の旅を描き、若い「脱北者」の素顔を伝える韓国発の強くて優しい物語。
著者等紹介
斎藤真理子[サイトウマリコ]
1960年、新潟市生まれ。翻訳者。パク・ミンギュ『カステラ』(共訳)で第一回日本翻訳大賞受賞、チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』で韓国文学翻訳大賞、ハン・ガン『別れを告げない』で読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夜長月🌙
46
脱北のイメージを大きく変えさせられた作品でした。子どもの頃から脱北を繰り返してる青少年・少女3人が主人公です。多い子では16歳までに4回の脱北。「繰り返す」というところに多くの方が違和感を感じるのではないでしょうか。これまで「脱北」は生きるか死ぬかの難事で、成功しても残された家族や親戚までも悲惨な末路と思っていました。描かれているのは直接、韓国に逃れるルートではなく中国から第三国を経て韓国へ。生まれた場所が自分の生きるべき場所ではないと感じざるを得ない悲しみがありました。2026/03/12
おだまん
12
故郷を捨てることは本意ではないけれど、それでも自由を求めることには代えられない、と苦難の冒険を強いられた脱北者の子どもたち。その自由をわがものにするまでの物語。日本にもその一端があるのだということ、忘れてはいけないし、素直に彼らの勇気に感動します。2026/03/14
都忘れ
9
北朝鮮から脱北する三人の16歳の子供達のお話。それぞれ別の地域で自由のない監視社会から脱出しようと命を懸けて行動する。厳しい冬の川を渡る、ブローカーにだまされ内モンゴルに売り飛ばされる、母と逃亡中に母が捕まり都市でさまよう、等々それぞれの逃避行の様子が過酷なのだが、時々時系列が戻ったり、作家が取材した百人もの脱北者たちの経験がミックスされていたりするせいか、読みにくさがあった。中国から第三国を経て韓国に至る長い道のりが、思っていたのよりあっさりと描かれていて少し物足りなさが残った。2026/05/25
くるり(なかむらくりこ)
6
「脱北」したソル、クァンミン、ヨルム、3人の16歳の物語。「自分らしく生きたい」という若者らしい素朴な願いと成長を描いているだけの話が、おそろしく過酷なサバイバルの物語になってしまう国。かの国では、「自分」という芽を地面から出すには、そもそもの生命力、生存力がないと上を覆うぶ厚い土に負けてしまうのかもしれない。脱北がみずからの選択と決断だったソルとヨルムだけでなく、必ずしも自分の意志ではなかったクァンミンも、なんと逞しいことか。閉塞感と緊張感の果ての「波の子どもたち」のシーンの美しさ、穏やかさに救われる。2026/05/12
小崎アキ【知る人ぞ知る本棚】
5
後書きから読み始めた。そこだけで、物語はすでに立体的に立ち上がっていた。作者の想い、時代背景、訳者の解説…非常にわかりやすい。 この本を読んで、最も驚かされたのは「距離」だった。韓国は隣国のはずなのに、そこへたどり着くまでの道のりは、あまりにも遠い。北緯38度線。たった一本の線が、人の一生をここまで狂わせてしまうのかと実感した。│作品解説⇒https://aki-o1984.hateblo.jp/entry/2026/05/30/1200002026/05/30




