出版社内容情報
高校生のナタリーは、ドーバー海峡横断泳への挑戦を決心する。難民支援の募金活動のためだ。そのときサミーは、アフリカの独裁国家エリトリアを逃れ、命がけではるかイギリスをめざしていた。運命のいたずらが痛みを抱えたふたりを結びつける。そこに希望は生まれるのか――。カーネギー賞最終候補に選ばれた力強い詩物語。
内容説明
高校生のナタリーはドーバー海峡横断泳へのチャレンジを決心する。難民支援の募金活動のためだ。そのときサミーは、アフリカの独裁国家エリトリアから逃れ、命がけではるかイギリスをめざしていた。運命のいたずらが痛みを抱えたふたりを結びつける。そこに希望は生まれるのか。カーネギー賞最終候補作。
著者等紹介
長友恵子[ナガトモケイコ]
翻訳家・エッセイスト。訳書に『中世の城日誌』(産経児童出版文化賞JR賞受賞)などがある。JBBY会員、紙芝居文化の会運営委員、やまねこ翻訳クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
15
男女2人の一人称語り手。同じフレーズが出てくると語り手が切り替わる。 2024/05/06
Mipo
9
主人公のふたりが遠く離れた場所にいながら運命で繋がっていくさまが、詩の形でこんなに表せるものかと驚く。完璧な構成の芸術美だと思う。視覚で伝わるなにかがあるからか、全身の感覚が研ぎ澄まされ、体感型の読書になった。例えば、人と人との間に物理的な距離があることを示すのに、スペースが挟まれていたり、また、海のシーンでは寄せては返す波のように繰り返される言葉が、ときに心地よかったり、ときに緊迫感を増したりする。この作品の魅力は、信じられないほどの喪失や痛みを抱えた人間が最後に残す「美しさ」が描かれているところだ。2024/03/28
そらこ
4
英国の16歳の少女とエリトリアの17歳の少年。まったく異なるふたりの若者の独白が、交互に、数珠つなぎでつながる。少女は難民支援の募金のためにドーバー海峡横断泳を計画し、少年は自由を求めて国から逃げ命崖で英国を目指す。やがてふたりは、何かに導かれるように共鳴しつながっていく。何の情報もなく読んだため、はじめ意味がわからなかったが、状況がつかめてから興味深く読んだ。違う場所、違う立場のふたりがシンクロしていく様子が神秘的だ。難民を受け入れる英国の人々の分断、難民の残酷な事情と壮絶な旅。ありありと見えてきた。2024/05/05
19
1
2人がこのような形式で語っていくからこそより一層読者へ迫って来るものがあると感じた。一つの物語としてはフィクションであっても、これは現実の状況に基づいて書かれた物語であるわけで、このような状況を現実として見つめなければいけないと思った。2024/10/22
takao
1
ふむ2024/09/13
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