出版社内容情報
ジョシュとJBは12歳の双子。元プロ選手の父親のもと、中学のバスケチームでは息の合ったプレーで敵を圧倒し、郡大会を勝ち進む。そんな中、父さんの体調に異変が――。ジョシュの語りが詩となって、家族の物語を紡ぐ。ジャズやヒップホップのリズムが生きる文体で詩の可能性を若い読者に示し、米国で絶大な支持を得た作品。
内容説明
ジョシュとJBは12歳の双子。元プロ選手の父さんのもと、中学のバスケチームでは息の合ったプレーで敵を圧倒し、順調に郡大会を勝ち進む。そんななか、父さんの体調に異変が―。ジョシュの語りが詩となって、家族の物語をつむぐ。詩の可能性を若い読者に示し、アメリカで絶大な支持を得た作品。世界で200万部超。ニューベリー賞受賞、コレッタ・スコット・キング賞オナー作品。
著者等紹介
原田勝[ハラダマサル]
1957年生まれ。東京外国語大学卒。翻訳家。ヤングアダルト小説を中心に英語圏の児童書の翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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joyjoy
12
詩で綴られる物語。横書き。バスケが得意な中学生双子兄弟。父親も元プロ。はじめはバスケの専門用語、マニアック?な人名などの訳注の多さに戸惑ったが、第2クオーターあたりからは展開が気になり、テンポよく読み進められた。タイトルの「クロスオーバー」、バスケのドリブルテクニックとしてだけでなく、いろいろな意味で使われていて、特に父さんの最後のクロスオーバー、JBのフリースローのクロスオーバーは印象に残る。こんな作品を原書で楽しめたらいいな。今は、日本語でこうして楽しめることに感謝。2023/09/08
駒場
9
ティーン向けの、叙事詩的な文体で綴られたバスケ小説。父親がプロ、という恵まれた環境でプレーする中学生の双子の兄弟が、片方に彼女ができたことでギクシャクしたり、病院嫌いの父の体調に異変が起きたり……。王道の展開だが、韻を踏んだりちょっとヒップホップな雰囲気になったり、フォントが変わったりと色々しかけがあって面白かった。バスケの独特のスピード感もあまり損なわれていないのがすごい。あまり本を読まない若者向けに、というので詩文で書かれた小説がアメリカでは流行っているらしい。いい試みじゃないだろうか2023/07/15
shoko.m
5
バスケの元プロ選手の父を持つジョシュによる、詩の形を取った青春の物語。よきライバルでもあるふたごのJBに彼女ができたり、父親の病気がわかったり、悩みながらもバスケの大会では勝ち進んでいく……。バスケ命のジョシュが紡いでいく出来事やバスケに関する用語などなどから、葛藤や想いが伝わってくる。大きな出来事もいくつか起こるがラストはさわやか。日本ではなかなかなじみがない詩だが、海外ではかなり盛り上がっていて、ここ数年でよい作品が邦訳出版されている。ラップ流行も含め、このジャンルにも期待大。2024/03/17
くるり(なかむらくりこ)
4
バスケットボールというスポーツが、ある意味で困難な人生を生き延びる手段ともなるアメリカ社会、そしてストリートカルチャーとの深い結びつき、家族という人間関係の難しさ、いろいろな背景を考えさせられた。詩の形式で文字は少なく、文章自体も平易で読みやすいけれど、けっして簡単な物語ではない。2023/09/26
Incisor
4
バスケの躍動感あふれるプレーが、詩から、行間から五感にダイレクトに伝わってくるという新しい体験だった。ともにプレーする双子の兄弟、かつてプロ選手だった父への思いも、ありのままに伝わってきて圧倒されるような物語だった。2023/09/06