モノクロの街の夜明けに

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モノクロの街の夜明けに

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  • サイズ 46判/ページ数 398p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784001160482
  • NDC分類 K933
  • Cコード C8097

出版社内容情報

1989年、ルーマニア。独裁が続くこの街で、高校生のクリスティアンは密告者になった。自由を夢見る17歳は、東欧諸国の民主化を伝える海外ラジオに耳をすませ、任務を逆手にとって、世界に真実を知らせようとする――抑圧された人々の祈りが、ついに国を動かすとき。革命の希望と痛みを描く、渾身の歴史フィクション。

内容説明

一九八九年、ルーマニア。独裁がつづくこの街で、ぼくは密告者になった。抑圧された人々の自由への祈りが、ついに国を動かすとき―十七歳がみつめた革命の希望と痛みを描く、渾身の歴史フィクション。カーネギー賞シャドワーズ・チョイス受賞作。

著者等紹介

セペティス,ルータ[セペティス,ルータ] [Sepetys,Ruta]
作家。アメリカ、ミシガン州生まれ。リトアニアからの亡命者を父に持つ。音楽業界でアーティストのマネジメントに携わったのち、2011年に『灰色の地平線のかなたに』でデビュー。以来「失われた物語の探索者」として、綿密な取材にもとづいた歴史フィクションを次々と執筆する。2017年に『凍てつく海のむこうに』でカーネギー賞を受賞したほか、受賞多数。作品は60か国以上で翻訳され、10代から大人まで幅広い年代から愛読されている。歴史と物語には世界中の人々をつなぎ対話をうながす力があると信じて、国内外の学校や書店でのブックトークのほか、NATO、米国会議、欧州会議、各国大使館等でも講演を行っている

野沢佳織[ノザワカオリ]
東京都生まれ。翻訳家。訳書に『灰色の地平線のかなたに』『凍てつく海のむこうに』のほか、ロバート・ウェストール『水深五尋』(共訳、岩波書店)、キース・グレイ『父さんが帰らない町で』、リ・ソンジュ、スーザン・マクレランド『ソンジュの見た星』(以上、徳間書店)、トレイシー・シュヴァリエ『林檎の木から、遠くはなれて』(柏書房)、バーネツト『秘密の花園』(西村書店)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぱに

11
ルータ・セペティスさんの本の大ファンです。3冊とも読み終わったあとの胸に迫る感動は言葉になりません。今回の本はルーマニア革命について。これまでの本と同様、名もない市井の若者が主人公。彼らがその時代をどれだけ懸命に生きたかを克明に知らせてくれます。日本に住む私はルーマニアの歴史をあまり知りません。こんなことがたった30年前まで現実にあったなんてと思うと苦しくてたまらなくなる。知ることで歴史に声を与える、セペティスさんの言葉を忘れずにいたい。ひとりでも多くの人に読んで欲しいです。歴史に声を与えてください2023/09/22

HISA

10
☆☆☆☆待ちに待ったセペティスの新作。前2作が良すぎて期待値が高かったせいか、はじめは閉塞感しかない雰囲気にちょっと入り込みにくいところもあったけど、途中から一気読み。政権が崩れていく混乱の様子と国民の熱気が、臨場感を持って伝わった。ラストがとても気になったけど、終わらない現実があるのか。家族のそれぞれが自分のやり方で家族を守ろうとした悲しい監視社会の物語。たくさんの人に読んでほしい。2023/12/30

都忘れ

9
ベルリンの壁が崩壊し東欧の国々に大きな変革が次々と訪れた1989年、チャウシェスクの独裁政治の下であえぐルーマニアにも大きな波が。17歳の少年の目でみたルーマニア革命前夜を描いた物語。至る所に張り巡らされた監視社会、なんにでも並ばなければならない物資の窮乏、電力不足、何よりも自由な言論の押さえつけ。密告者となってしまった少年の恐怖と葛藤、何という極限の状態か、フィクションとは言え、綿密な取材に裏付けされた内容はリアルで胸に迫ってきた。こんなことがほんの30年前まであったのだという現実を心に留めたい。2023/11/09

さく

9
衝撃を受けながら、目が離せなかった。ルーマニアの高校生が独裁国家の中で、翻弄された日々。とてもリアルで世界からは注目もされなかった国でおきていた事。バナナを食べたいと思った事が象徴的で。家族はそれぞれが家族を守りたくて複雑に利用される。きっとどの家庭も同じで、何の変哲もない家庭の報告が3,000ページにもなっていた。凄い内容で動けないなった。 2023/10/29

青猫ノラ

8
チャウシェスク独裁下にある1989年のルーマニアが舞台。綿密な資料・取材の活用を得意とする作家、ルータ・セペティスのよるYA文学です。10代の瑞々しい視点で閉塞感ある社会を描きながら、終盤は一気に加速していく物語。2024/01/06

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