出版社内容情報
第2次世界大戦下のドイツ.反ユダヤの狂気は,ユダヤ人の少年フリードリヒの大切なもの――友情や暖かな家庭,淡い恋…を破壊し尽くす.当時の状況を如実に描き出した問題作.
内容説明
ヒトラー政権下のドイツ、人々は徐々に反ユダヤの嵐にまきこまれていった。子ども達でさえも…。その時代に生きそして死んでいったユダヤ少年フリードリヒの悲劇を、同年のドイツ少年の眼を通して鋭く描いた問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
11
同じアパートに住むシュナイダー家のフリードリヒ。僕らが生まれた年は、何の関係もなく見えるナチス親衛隊も誕生した年…。わずか240ページほどのなかに全32節の物語。「生まれたころ(1925年)」から始まり、見出しそれぞれに年号が記載され、ふた家族の身近に起こった出来事を綴ったなかに時代の様相が次第に暗く、陰惨になってゆく様が刻まれていきます。「あのころは〜」というタイトルがより迫りくる読後。巻末の注釈一覧と現代では考えもつかない時代の恐怖が綴られた年表への興味が増すほどに、この作品の意義に気づく気がします。2013/02/02
Y.Yokota
5
語り手の少年と、その友人で"ユダヤ人"のフリードリヒがナチス政権下でどのように生きていったのかを書いたお話。このような題材は他にも沢山用いられているのでしょうが、子どもの目線で目の前の状況が変わっていく様を淡々と描いたところが、恐ろしくも秀でているのだと思います。子ども2人がその置かれた状況でそれぞれに育っていく様子もリアルです。しかしお父さん方、良い人だ。2018/12/02
東雲
3
4 小学生ぶりの再読。こんな本だったっけ!!記憶よりももっと凄惨だった。 その頃の世界情勢がわかってきた今だからこそわかることもあったり。2010/04/13
うりぼう
3
ああ、アンネ・フランク。2009/03/15
kumako
1
フリードリヒを保身の為に守れなかった人達も、雰囲気で迫害した人達も、タイトルも…全て悲しい。 ノイドルフ先生のユダヤ人についての説明がとても解りやすかったのでもう少し掘り下げて学びたいです。2018/09/04