内容説明
まいご猫も、赤ちゃん猫も、みんなついておいで!数十匹の子猫を連れて、ローマの街を生きのびる気高きおかあさん猫、ミランダの物語。
著者等紹介
エスティス,エレナー[エスティス,エレナー]
1906‐88。アメリカのコネティカット州生まれ。1932‐40年、ニューヨーク公共図書館の児童部で図書館員として働く。自ら挿絵も手がけた『ジンジャー・パイ』でニューベリー賞を受賞
アーディゾーニ,エドワード[アーディゾーニ,エドワード]
1900‐79。ベトナム生まれ。父はイタリア系フランス人、母はイギリス人。5歳よりイギリスで暮らす。数多くの絵本や挿絵作品を遺した。『チムひとりぼっち』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞
津森優子[ツモリユウコ]
アメリカのニューヨーク生まれ。慶應義塾大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
77
現代の猫の物語かなと読み始めたら、古代ローマの女傑・女王猫ミランダのストーリーでした。コロッセオが猫のマンションになり、歌声が響いているなんて傑作です。本書が日本で発売されたのは昨年末ですが、50年も前に書かれた作品で、歴史も感じます。児童書ではありますが、大人も楽しめる挿絵も含めチャーミングな素敵本です。ミュージカル・アニメーションでも観てみたいいなぁ!2016/02/20
ぶんこ
44
とても素晴らしい本でした。侵略されて崩壊するローマ。飼い主とはぐれてしまった猫、犬たち。本当に「ゆうかんな」母猫ミランダの母性愛と、自らが助けて育てているはぐれこねこ33匹と、戦時に自分が産んだ4匹を守って行くために、愛しいクラウディアとの安定した穏やかな生活を断念する場面では涙が止まらない。母より大きく育っても、いつまでも甘えん坊だったプンカも、母を助けて子猫たちの世話をしながら成長していました。甘ったれのプンカは、どんなにかクラウディアの家に帰りたかったことでしょう。それでも母を選びました。2021/11/03
花林糖
24
とても良質な児童文学。古代ローマのコロッセウムが舞台の、黄金色の猫ミランダと娘のプンカの奮闘記。切ない所もあるけれど結果ハッピー・エンドで良かった。アーディゾーニの挿絵も素敵でした。2016/01/21
たまきら
22
ネコを愛する人にはこたえられない本です。古代ローマを舞台にカリスマ雌猫が活躍するお話です。どうぶつを愛する小学生女子に是非。オタマには早かった…。2016/05/09
遠い日
22
エスティスとアーディゾーニは、すばらしいコンビだ。どちらかが欠ければ作品の魅力は半減するだろう。物語の舞台が古代ローマというのがいい。知恵と勇気、懐の深さがかっこいい女王にして肝っ玉母さんの猫、ミランダ。抜き差しならないローマの急変に、慌てず騒がず、力を以て制するところは制し、情をかけるべきところはかけて、リーダーの力量を見せる。そして、歌う猫としてオペラを主宰するところに、とんでもない夢がある。生活と楽しみと、手を抜かないその密度の濃さにミランダの生き方がある。2016/03/13
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- 和書
- 茶人風情 〈続〉