太陽の草原を駆けぬけて

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太陽の草原を駆けぬけて

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784001156652
  • NDC分類 K929
  • Cコード C8097

内容説明

五歳のエリューシャと家族は、戦争で故郷を追われ、ポーランドから東へ東へと向かった。落ちのびたのは、カザフスタンの草原の小さな村。何もかもが未知の暮らしのなかで、エリューシャは友だちをつくり、言葉をおぼえ、狩りの知恵を教わり、たくましく成長していく―。終戦後、イスラエルにたどり着くまで、どんなときも前を向いて生きた、母と子の長い長い旅の物語。

著者等紹介

オルレブ,ウーリー[オルレブ,ウーリー] [Orlev,Uri]
1931年、ポーランドのワルシャワ生まれ。第二次世界大戦中、ゲットーや隠れ家住まいをし、ベルゲン・ベルゼン収容所で終戦を迎える。現在、エルサレム在住。1996年、国際アンデルセン賞作家賞受賞

母袋夏生[モタイナツウ]
1943年、長野県生まれ。ヘブライ大学文学部修士課程実用言語コース修了。オルレブ作品の翻訳を多数手がける。1998年、ヘブライ文学翻訳奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Cinejazz

13
1939年、独ソ不可侵条約締結。ポーランドの西側を独逸、ソ連は東側を分割占領。 1941年、ソ連占領下のポーランド(現在のウクライナ)に暮らしていた5歳のエリュ-シャと家族は、独ソ戦勃発により故郷を追われ、母や姉弟とともに辿り着いたのは、カザフスタンの小さな村だった。 ・・・本作は、ポーランド系ユダヤ人少年の視点で、見知らぬ土地での飢えを凌ぎ、生活の知恵と工夫で逞しく生きぬく姿を、終戦後イスラエルに渡るまでの苦難の歳月を、実話をもとに描かれた、避難民家族の長い旅の物語。 2024/04/04

はる

13
図書館本。子どもの本棚の面展台から。表紙の明るさほどには明るくない内容だとは知っていたけれど。とりあえず子どもたちが皆生き延びたことにほっとする。そして、母の魔女のような特技の数々!楽器、タロット、薬草使い。それから、エリューシャの危機を救ったことばの力。「だって、おまえ、おれたちのことばでわめいてたんだもの」切手のコレクションとハモニカを持ってイスラエルに渡ったエリューシャの物語も読んでみたかった。2016/08/29

シュシュ

13
戦争中ユダヤ人の家族がポーランドからカザフスタンへ移った後、転々として、最後はイスラエルへ落ち着くまでの物語。児童書ではあるが、7歳の双子の娘、5歳と赤ちゃんの息子を抱えて頑張るお母さんに感情移入してしまった。もとはお金持ちの奥さんだったが、カザフスタンに移ってからは、工場で働き、得意のバラライカを弾き、タロット占いをすることで子どもたちを養っていった。そのたくましさに力をもらった。様々な民族が集まるヨーロッパの話を読むと、単一民族の島国日本との違いを改めて感じる。暮らしぶりもそれぞれ多様で面白く読めた。2015/06/23

こもも

10
戦争の物語。家を追われ、祖国を追われた一つの家族の物語だ。「生」に溢れた文体は、恐ろしさよりも、その先にある希望を期待させる。先が知りたくて、あっという間に読み終えてしまった。本当に面白かった。個人的に衝撃的だったのは、最後に家族が目指した地が「パレスチナ」だったこと。こうした人々によって「イスラエル」が在るという事実に、パレスチナ問題の根深さを突き付けられたような気がした。どちら側の人々も、ただ家族と幸せに暮らしたいだけなのだ。ただそれだけなのに、どうしてうまくいかないのだろう。どうして・・・。2015/05/24

くるり(なかむらくりこ)

5
(日本翻訳大賞への推薦文より)翻訳作品の意義のひとつに、自分では絶対に読むことのできない原語の作品を読めることがあります。ヘブライ語で書く作家オルレブを日本語で読めることの感謝をこめて、この作品を推薦したいと思います。もちろん、戦争で苦難を味わったユダヤ人少年一家の日々をユーモアをも交えて語るストーリー、端正で読みやすい訳文も、推薦の理由です。オルレブは、このような時代に、民族や宗教に関係なく世界を公平に見る目を開かせてくれる作家であり、この作品もまさにそうしたことを考えさせられる一冊です。2015/01/26

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