出版社内容情報
故郷の島ゴントで,妻テナー,顔に大やけどを負った養女テハヌーと,静かに余生を送るゲド.そこへハンノキというまじない師が訪れ,物語は再開する.ふたたび竜が暴れ出し,緊張が高まる.テハヌーは,レバンネン王に王宮へ呼び出され,重要な使命を与えられるが…….アースシー世界を救うのは,いったい誰か.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tjZero
2
第6弾にして最終章。この総集編では、それまで対立していたものたちの結びつきが描かれる。<人と竜><生と死><男と女><魔法使いとまじない師><同胞と異邦人>…。これらの対立項が壁を乗り越え、調和のときを迎える。そうなると、このオールスターキャストの巻で、なぜ一見地味なハンノキが主役に選ばれたのかがよくわかる気がする。すなわち彼は、修繕の術を得意とするまじない師。あるべきところに物事を戻してやる役割。P.302”「この世界をなおすんだよ。」~「石垣をなおすんだ。」”。2021/04/02
mimosa
0
やっと読み終えた満足感と安堵感、ゲドが登場した何事をも大きく包む安心感、テハヌーが自然の元へ旅立ってしまい不思議な畏敬の念と庇護の気持ち、登場する女性がそれぞれに意志を持ちそれぞれのストーリーを大事にするつくり、すべてに感銘をうけ、心地良い読後感でした。2024/03/13