出版社内容情報
北国の山奥にうまれた小さな川が,少しずつ太りながら海をめざしてひたすら流れ下るようすと周囲の移り変りを描き,川の一生を語ります.淡々とした自然のドラマの中に命のひろがりを感じさせる絵本.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
152
この川は何処から始まり何処へ流れていくのだろう。小さな溜まりが煌めき、旅立ちを迎える。まだ誰も気づいていないその流れに動物たちが寄ってくる。岩をすり抜け徐々に激しさを増していく。谷に落ちて大地を削り終えると、川幅の広がりとともに流れるほど穏やかな時を刻み、野原をかき分け、水と水が合わさって湖となる。皆が寝静まった頃、月夜に照らされている。ここから何処に進めばいいのだろう。海を探す旅は続く。雨が降るまではここに佇んでいようか。川は今も流れている。その流れのすべてが川である。一筋の流れが多くの命を育んでいる。2022/06/18
ume 改め saryo
24
ロジャンコフスキーさんの絵が目当てで、手に取りました(^^) 期待通りの繊細で美しい絵ですね(^^)2014/03/05
Cinejazz
23
〝遥か彼方の寒い北国。その山奥のマツの木の森で、雪が溶け、氷が解けて、小さい川が生まれた。小さい川は、まだ、とても、川には見えなかった...「何処へ行けばいいんだろう」「ここにいれば」シカが薦めた「だめだめ、川は何処かに向かって、流れていくものなんだ。でも、それが何処だかわからない」太った熊に聞いてみた「この先に、岩がたくさんあるよ、行ってみたらどうだい」...小さい川は、岩から岩へ、山の麓のひろい平野に、流れて行った。平野に出ると、雨が降り出した・・・〟川はどんなふうに、何処へ流れて大きくなっていくの↓2025/04/06
gtn
16
カモメは「新米」だと馬鹿にするが、川の行いは正しい。海という大目的に向かって突き進んだからこそ、その軌跡として森や岩や野原に遍在できたのだと思う。2019/12/17
カタコッタ
15
岩波の子どもの本にハズレ無し。懐かしくも繊細に書き込まれている絵が素晴らしい。この様に良くできた本が絵本にしては安価で買えることに好感を持つ。良い絵本です。2022/06/18