内容説明
舞台は19世紀、英領インド。ラホールの町で生まれ育ったイギリス人の孤児、キムは、白人の風貌を持ちながら、現地語を自在にあやつる少年。やがてキムはチベットからきたラマと知り合い、“矢の川”を探して各地をめぐる旅に出る。新訳。中学以上。
著者等紹介
キプリング,ラドヤード[キプリング,ラドヤード]
1865‐1936。イギリス統治下のインド・ボンベイ(ムンバイ)に生まれ育つ。5歳からイギリスで学校教育を受け、16歳で再びインドへ。ラホールで新聞記者として働くかたわら、詩や小説を書いて発表。25歳でロンドンの文学界にデビュー。子どもの本も執筆。1907年、英語圏の作家として初めてノーベル文学賞を受賞した
三辺律子[サンベリツコ]
翻訳家。白百合女子大学大学院修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
14
数枚の挿絵だけで、これほどのインパクトなのだから、全編マンガ化してもらったら感動で死ぬかもしれん>黒田硫黄2023/06/15
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
舞台はインド、イギリス人ながら孤児のキムはイギリス側のスパイになり、ロシアとの情報戦で活躍する。持ち前の賢さと機転で危機を乗り越えるキムだが、隠れみのとして巡礼の旅の供をしたチベットの僧侶ラマ僧には頭が上がらない。供にすることで徐々に惹かれていくキム…。前後編。2021/11/14
みなみ
11
【ガーディアン1000冊】ジャングル・ブックのキプリング作。いってもジャングル・ブックのほうも未読だった^^;インドを舞台に、イギリス人の少年キムが縦横無尽に駆け回る冒険小説。キムは頭がよく機転もきくので子どもながら情報活動にいっちょかみしてある。そんなキムは、聖なる川を探す老師ラマに出会い一緒に旅することに。この老師が本当に聖人で、作中で会う人はほとんどみんな感服するし、読んでいても素晴らしい人格の宗教者だと感じる。インドを舞台にした西欧列強の情報戦「グレート・ゲーム」を絡めており下巻も楽しみ。2022/02/04
brzbb
5
おもしろい! しっかりしたスパイ小説なのに、いきなり主人公がチベット僧と巡礼の旅に出てしまう。数奇な運命のもとに生まれた少年が独りで「世界」とわたりあう。イギリスとロシアとの諜報戦、グレート・ゲームを描いたスパイ小説であり、自分は何者なのかを探し求める少年の探求物語でもある。当時のイギリス読者向けのエキゾティシズムもちょっとは含まれてるんだろうけど、著者のキプリングはインド育ちだそうなので、いきいきと描かれる19世紀後半のインドの風俗はリアルで魅力的だ。2016/03/04
timeturner
5
「とうとう、〈大いなるゲーム〉が始まるぞ」うわあ、ここで終わるか?! では、下巻いきます!2015/12/07