内容説明
英米のホラー小説に精通した訳者自らが編んだアンソロジー。エドガー・アラン・ポー、サキ、ロード・ダンセイニ、フレドリック・ブラウン、そしてロアルド・ダールなど、短編の名手たちによる怖くてクールな13編。全編新訳。中学以上。
著者等紹介
金原瑞人[カネハラミズヒト]
1954~。岡山市生まれ。法政大学社会学部教授。エスニック文学、マイノリティ文学、児童文学などを講じる。訳書多数。編著書も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェルナーの日記
207
まさにタイムリーな1冊。自分場合本書の続編『南からきた男』読んで興味を持ち本書を手に取った。13篇からなるショート・ストーリーから編まれている。中でも自分的に面白いと思った作品はエドガー・アラン・ポーの『こまったちゃった』であり、原題は”The Scythe of time"で直訳すれば(刈り入れ時)とすべきか?まさにその通りの内容。次に本タイトルにもなっているW・F・ハーヴィーの『八月の暑さのなかで』(”August Heat")で怪奇小説のらしさからいえば、俊逸とも呼べる物語。2017/07/29
nuit@積読消化中
124
短編の名手たちによるホラー短篇13編。表題作W.F.ハーヴィーの『八月の暑さのなかで』はもちろん、全ての作品がハズレなしの傑作揃いです。いくつか読んだことのある作品もありましたが、金原瑞人さんの翻訳により、より一層楽しめました。中でもサキ『開け放たれた窓』、ローズマリー・ティンパリー『ハリー』、L.P.ハートリー『ポドロ島』はお気に入りです。何度でも読みたい作品です。2017/05/01
mocha
104
金原瑞人氏が選んだ英米13作品。冒頭エドガー・アラン・ポー『こまっちゃった』でガツンとやられた。ハーヴィー『八月の〜』サキ『開け放たれた窓』は既読だが、どちらもキレのある傑作。ダール『お願い』はどうってことない子どもの遊びがかくも恐ろしく感じられることに驚愕。レノックス・ロビンスン『顔』はファンタジックで好み。フランク・グルーバー『十三階』は正統派で面白い。ローズマリー・ティンパリ『ハリー』は母目線の話だからか一番怖かった。真昼の陽光に溶けていくような恐怖譚。2018/08/12
ままこ
99
幻想的で奇妙な味わい。オチにゾクっとする海外ホラー短編集。金原さんが思いっきり今風に翻訳したエドガー・アラン・ポー「こまっちゃった」シュールさが面白かった。表題作は酷暑の時期に読むとよりゾクゾク雰囲気を楽しめる。LP.ハートリー「ボトロ島」後味悪すぎ。猫が酷い目に合うのは許し難い。ロアルド・ダール「お願い」好奇心旺盛な子供心を描くの上手い!ローズマリー・ティンパリ「ハリー」ホラー映画を観ているような感覚に陥る。各作品時代背景や風土が色濃く浮かび上がる13編の怪奇。編数もホラー作品らしい。2022/07/30
Panzer Leader
86
日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の二・洋編〉ポー、サキ、ブラウン、ダールなどの有名どころから初めて読む作家たちのホラー短編集。具体的な描写の怖さでなく、ちょっと背筋が凍るような持ち味の作品が多く、暑い夏に読むには最適なアンソロジー。2022/08/06