内容説明
おなじみの「一寸法師」に「浦島太郎」、いじめにたえて幸福を手に入れた「鉢かづき」姫、若い娘たちをさらう恐ろしい大江山の「酒呑童子」…遠い昔に生まれ、人びとに愛されてきたおとぎばなし7編を、いきいきとした日本語で。中学以上。
著者等紹介
大岡信[オオオカマコト]
1931~。静岡県三島市生まれ。詩人。東京大学国文科卒業後、読売新聞外報部記者を経て、明治大学、および東京芸術大学教授をつとめた。詩作に加え、批評、翻訳、戯曲などでも幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒラP@ehon.gohon
27
おとぎ草子がどの様なものか、あまり知らずに読み始めたのですが、収録された7篇にしても、多様な物語で、それが何百もの物語があると聞くと、昔話の集大成のような気がしてきました。 「一寸法師」では、ちょい悪な策略士の一寸法師を知りました。 「浦島太郎」では、乙姫と夫婦になった少し大人の太郎の世界を知りました。 昔話のバリエーションの多さを感じました。 「鉢かづき」からは中世物語がおとぎ草子に含まれる不思議な世界を感じました。 児童書として知っている話が、ヤングアダルト向けに感じた図書でした。2021/11/13
スノーマン
22
アンソロジー『リアルプリンセス』を読み、本家『鉢かづき』も。淡々とした語り口やけど面白かった。末息子、女を見る目あるね〜。小狡い一寸法師や、息子大ウケのダイナマイトボディ福富長者物語。読んだあとは私もご加護を受けたく観音様や住吉大社さんにお参りしたくなる(笑)2017/06/08
おはなし会 芽ぶっく
16
昔話も地方によっては内容が変わっていたりしますが、こちらはちょっと大人っぽい昔話になっていました。解釈の違いもあるのかしら? 『 一寸法師 / 浦島太郎 / 鉢かづき / 唐糸そうし / 梵天国 / 酒呑童子 / 福富長者物語 』2021/11/13
サトゥルヌスを喰らう吾輩
7
王子さまが歌を詠み出したかと思えばその場でお姫さまも当意即妙に返歌、歌が終われば場面が変わるというサービス精神満点な物語運びはまるでディズニー。名前以外馴染みのなかった「おとぎ草子」ってこんなにエンターテイメントだったんだ! と驚きました。いまさらだけれど、日本の昔って日常がミュージカルだったのだなと感動しました。和歌を残す編集方針の本が始めの一冊でとてもよかったです。わるものにされちゃうひとがときどきかわいそうだけど、それも勉強になりました。七つの短編の中では「唐糸そうし」が一番好きです。2018/01/13
かおりんご
3
児童書。自分が知っているおとぎ話とは、少し違う。日本古来の神様や仏様の話が、これらの物語には含まれているからだ。昔の人たちの考え方に、ふれられる気がする。大人になった今だからこそ、読んでいて面白かったです。2010/06/19